新潟リハビリテーション大学
学長 山村 千絵
新潟リハビリテーション大学は、2007年度に大学院だけの新潟リハビリテーション大学院大学として開学したのち、2010年度に学部を増設して現在の姿になりました。新潟県北地域唯一の保健医療系大学であり、建学の精神として「人の心の杖であれ」を掲げています。人間愛や道徳心に満ちた豊かな人間性及び専門的な知識・技術に加え、人間としての尊厳を重んじ、様々な側面から保健医療を考え、自立して判断し行動することができる人材を養成するとともに、研究成果を地域に還元し地域住民の保健・医療・福祉環境の向上に寄与することを目指しています。
本学の位置する村上市とは、包括連携協定のもと強い相互協力体制を構築しており、学生・教職員ともに、専門分野に限らず幅広い活動を展開しています。たとえば、地域のお祭りや国際トライアスロン大会等をフィールドとしたボランティア活動を実施したり、子供から高齢者までを対象とした、福祉活動の体験、健康講座、生涯教育を提供したりしています。近年は、現代社会に必須な防災教育にも重点を置き、学生に「生き抜く力」を涵養しています。災害時の避難所における学生の活動は、地域住民からも大きな信頼と評価を得ています。
ところで、これからの社会においては、人工知能・ロボット工学・データサイエンス等の目覚ましい発展が期待されています。本学は、データサイエンス教育にも力を入れており、その教育プログラムは文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」に認定されています。また、2022年度から供用を開始した新校舎(国際教育研究棟)には、一人ひとりが自分スタイルで学べる「アクティブ・ラーニング」や「アクティブ・プラクティス」エリアを設けています。
学生教育はもちろん、心身の支援も含めて、小規模校ならではの強みを活かして、学生をひとりも取り残さないよう、きめ細かく暖かい支援を続けています。いわゆる障害者差別解消法にある合理的配慮の提供について、私立大学は2024年度から義務化されましたが、本学は2016年度に努力義務となった時代から体制を整えてきました。その他、学生第一、学生の立場になって考える大学運営を続けてきましたが、これからは、これまでのような教職員が考える学生の立場ではなく、一歩進んで、学生自身が考える、学生が真に主役となれる、学生目線の学修者本位の大学運営にしていきたいと考えています。本学学生で入学後に成長したという実感を持っている者の割合は、全国学生調査の結果によると、すでに全国平均よりも高い値となっています。
近年、持続可能な開発目標として定められたSDGsが注目されていますが、本学もSDGsの達成に向けた教育・研究・組織運営を推進するとともに、地域社会の課題を解決するなど、今後もより一層SDGsへの取り組みを強化してまいります。そして、SDGsの視点から自らの活動を整理し、すべての人が豊かに暮らす世界の実現に向けて、未来につながる取り組みに注力してまいります。皆さんと一緒に、SDGsを考え協働していくとともに、新たな可能性を見出していきましょう。なお、取り組みの一部は本学のホームページでも紹介していますので、ご覧ください。