高次脳機能障害コース

脳血管障害やその他の疾患により、記憶・注意・遂行機能障害など、いわゆる高次脳機能障害に苦しむ人たちやその家族が年々増加し、社会問題となっています。
本コースでは、これら疾患の病態の解明や、その評価・治療法を研究することを目的としています。
ひとつの研究が人々の生活を大きく変える可能性を秘めています。


日本で唯一、言語臨床における“全体構造法(JIST)”を学びながら修士の学位を取得できる履修コース「高次脳機能障害コース」を、東京地区のサテライトキャンパスにおいて開設しています。

高次脳機能障害コースでは、全体構造法のみならず、高次脳機能障害およびそのリハビリテーションはもちろん、選択することで他コース(摂食・嚥下障害コース、運動機能科学コース、心の健康科学コース)の科目についても、体系的に学ぶことができます。院生は、臨床等の日々の業務を続けながら、夜間や週末を利用して講義(対面・Web・E-learning)や研究指導を受け、学位取得をめざします。修士論文研究については、村上本校で中間発表や最終発表のプレゼンテーションの機会があり、本校の教員からも指導が受けられます。研究遂行に必要なオンラインジャーナルの閲覧も、本校学生と同条件で利用できます。

なお、サテライトキャンパスでの履修は、臨床や学校教育等に携わっている社会人のみを対象としています。東京近郊のみならず、遠方からの入学者もいます。詳細については、村上キャンパスまでお問い合わせください。

養成する人材像

高次脳機能障害コース主として高次脳機能障害を持つ患者に対して、

  1. 病院・老人保健施設・障害児福祉施設・特別養護老人ホーム・重症心身障害児施設・在宅等の臨床現場において、適切な評価やリハビリテーションを行い、さらに心理的サポートも充分考慮できる、より高度な医療従事者。
  2. 機能改善のためのアプローチ方法や、AAC(代替コミュニケーション)など良好な人間関係の修復などに関する開発および教育等に携わる教育・研究者。

 


教育スケジュール

修了要件単位数
修士課程修了に必要な単位数は、研究指導を除き、コース別に次の通りとなります。

  • 摂食・嚥下障害コース:必修9単位、選択必修1単位以上を含む30単位以上
  • 高次脳機能障害コース:必修8単位、選択必修1単位以上を含む30単位以上
  • 運動機能科学コース:必修3単位、選択必修1単位以上を含む30単位以上
  • 心の健康科学コース(一般課程):必修9単位、選択必修1単位以上を含む30単位以上
  • 心の健康科学コース(公認心理師課程):必修24単位、選択必修1単位以上を含む30単位以上
  • 言語聴覚障害コース:必修4単位、選択必修1単位以上を含む30単位以上

他に修士論文の審査(論文審査、発表審査)および最終試験に合格することが必要です。

授業科目

共通科目
配当年次 授業科目の名称
必修 選択
1年次
  • 医療倫理
  • 研究方法論
  • リハビリテーション医学総論Ⅰ(内科・神経内科)
  • リハビリテーション医学総論Ⅱ(外科・整形外科)
  • 精神医学(保健医療分野に関する理論と支援の展開)
  • 公衆衛生学総論
  • 教育心理学(教育分野に関する理論と支援の展開)
  • 看護教育学
  • 臨床解剖学
  • 神経解剖学
  • 神経心理学
  • リハビリテーション臨床学
  • リスク管理学
  • 職場マネージメント
  • 教育指導法
専門科目
配当年次 授業科目の名称
必修 選択
1年次
  • 高次脳機能障害学総論Ⅰ(基礎)
  • 高次脳機能障害学総論Ⅱ(応用)
  • 注意・記憶・行為・遂行機能障害
  • 摂食・嚥下障害学総論
  • 摂食・嚥下発達障害学
  • 摂食・嚥下予防学
  • 摂食・嚥下訓練・治療法 (基礎)
  • 摂食・嚥下訓練・治療法 (臨床)
  • 口腔介護
  • 発達神経心理学
  • 高次脳機能障害評価学Ⅰ (コンピュータ評価技法)
  • 前頭葉機能・右半球障害
  • 視覚機能障害
  • 発達障害
  • 失語・失読・失書
  • 運動機能科学総論
  • 地域・老年期リハビリテーション論
  • 生活機能障害作業療法学
  • 精神・認知機能障害作業療法学
  • 中枢神経疾患治療技法
  • 運動発達障害特論
  • 心の健康科学総論(心の健康教育に関する理論と実践)
  • アイデンティティ形成とリハビリテーション心理学
  • キャリア形成とリハビリテーション心理学(産業・労働分野に関する理論と支援の展開)
  • 精神機能と生活障害のリハビリテーション心理学Ⅰ (臨床)
  • 精神機能と生活障害のリハビリテーション心理学Ⅱ (国際)
  • 疾病と障害の共存とリハビリテーション心理学(保健医療分野に関する理論と支援の展開)
  • 言語聴覚障害学総論
2年次
  • 高次脳機能障害評価学Ⅱ (画像)
  • 高次脳機能障害評価学Ⅲ (神経心理)
  • 認知科学・認知機能障害
  • 摂食・嚥下食品・栄養学
  • 高次脳機能障害ケーススタディ・研究方法論
  • 高齢期とリハビリテーション心理学(福祉分野に関する理論と支援の展開)
  • 心理アセスメント特論(心理的アセスメントに関する理論と実践)
  • サイコセラピー特論(心理支援に関する理論と実践)
  • アートセラピー特論
  • 支援コミュニケーション特論(産業・労働分野に関する理論と支援の展開)
1~2年次
  • 研究指導
 

大学院修了生の修士論文題目

  • アルツハイマー病の分類における心理検査の問題点
  • 変性疾患の認知症における幻視と立方体模写に関する研究
  • FAQ・髄液・FDG-PETを用いたアルツハイマー病の分類
  • ティンカートイの基準化への一試行
  • ティンカートイ検査と小児発達段階の関連について
  • 頸部回旋の違いが立ち上がり動作へ及ぼす影響-運動学的分析の観点から-

JIN式発声発語・器官検査

「JIN式発声発語・器官検査」とは、

 JIST(日本全体構造臨床言語学会)とNUR(新潟リハビリテーション大学大学院)の共同研究により開発された「運動障害性構音障害および吃音の構音症状と構音器官の運動・感覚」を総合して評価する検査です。
 本検査は、以下の2部門で構成されています。どちらも結果を1表で示すことによりマクロ的に、能力の分布を概観・判断できます。

1.発声発語検査
2.発声発語器官検査

本検査の特徴

  • リハビリテーションのための客観的指標を開発し、検査者間信頼性を高めています。
  • リハビリテーション必須情報を効率的に検査しながら短時間施行をめざし、被検者の方への負担を限界まで少なくしてあります。
  • 判定・評価尺度は混乱せず、またリハビリ経過も判断できるよう、すべてを5段階に統一してあります。
  • 検査結果の情報を検者と被検者や家族と共有できるよう、専門用語ではなく一般理解可能な用語としてあります。

本検査の詳細は、臨床言語研究,VOL19, 2020.「JIN式発声発語・器官検査(2020版)」特別号をご覧ください。

JIN式発生発語・器官検査検査用紙のダウンロードはこちらから

デジタルパンフレット
学校法人 北都健勝学園
新潟リハビリテーション大学
0254-56-8292

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