心優しく思いやりがあり頼もしい学生たち

大きな地震から9日経ちましたが、今のところ、それ以上の大きな余震もなく、ホッとしています。大学はいつも通りの日常が続いています。一方、市北部を中心に被災された方々への罹災証明書等の交付も昨日(26日)から始まり、生活再建に向けた支援や復旧活動が進んでいます。本地域や庄内地域の観光客の数も回復したようで、今朝の特急いなほ1号(新潟発秋田行き)は、いつも以上に大勢の乗客で賑わっていました。

さて、地震の日の夜のエピソードで、心温まるうれしい話を聞きました。それは…
地震後に津波注意報が発令されたため、本地域の多くの方々や、近くに住む本学の学生たちの何人かが、指定避難所である岩船中学校に避難をしました。その際、お年寄りや障がいのある方に対して、本学の学生が休むことなく率先して介助等のお手伝いをし、現場が混乱している状況で大変助かったと、村上市地域包括支援センターさんや近隣のデイサービスを利用している方をはじめ、何名かの方々よりお褒めの言葉をいただいたとのことでした。市役所の担当の方からは、「私たちからは何も頼んでいなかったのですが、普段から学生に対してこのような教育をされているのでしょうか?」と大変感心されていたとも聞きました。

非常事態の中で、本学の教育の理念である「人の心の杖であれ」を実践してくれた学生たちを、とても頼もしく誇りに思います。

昨日(26日)は、1年生のスポーツ実践の授業を参観させていただく機会がありました(写真)学生たちが生き生きとした表情で活動しているのを見ることができました。この科目では、一般的な体育授業とは異なり、「ボッチャ」や「シッティングバレー」など、障がいのある方でも楽しめるスポーツを実践しています。

今週末の土曜日は学園祭があります。お天気が少し心配ですが、学生たちの笑顔をいっぱい見ることができると思います。お近くの方は、どうぞ、いらっしゃってください。

6月20日授業再開・平常業務

本学は6月20日、授業を再開し、平常業務に戻りました。
19日に、安全確認・点検を行ったところ、18日夜の地震による、人的・物的被害は、まったくなかったことがわかったためです。

建物全体(外観など)に被害がなかっただけでなく、建物の中も無傷です!
震度6強と報道され、テレビ画面などに映し出される村上市(山北地域)の状況とは異なります。

ごちゃごちゃと細々したものを置いてあったり、多くの書類を乱雑に積み重ねたりしている、学長室の隅から隅まで見渡しても、不思議なくらい、ものひとつ落ちておらず、積んだ書類の崩れやズレさえ、ありませんでした。他の部屋や教室も同様です。

今回の地震は、全体的に見ても、他所で起こった地震に比べて、震度の大きさの割には被害が少なく食い止められています。その理由として、揺れの周期が短かったことや、村上市周辺の海沿いの地域は固い岩盤層が直下にあり、平野部と比べて安定した地盤であることなどが挙げられるそうです(6月20日付新潟日報第3面 新潟大学卜部厚志教授の談による)。

ただ、今後の余震で震源が動いたり、規模が大きくなったり、揺れ方が変わったりすると、どうなるかはわかりませんので、油断はできません。引き続き留意していきたいと思います。

本学は被害がありませんでしたが、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

地震お見舞いのお礼

このたびの地震に際しましては、全国各地の方々から、ご心配や温かい励ましのお言葉をいただきまして、教職員を代表し、心から感謝申し上げます。

本学では、幸いなことに、これまで人的被害・物的被害ともに確認されておりません。

しかし、現在も余震が続いており、大雨が降っています。気を緩めることなく、今後も学生・教職員をはじめ関係者の安全確保に努めていきたいと思います。

なお、報道されております、村上市内で被害の大きい地域は、市北部の山形県境にある山北地域が中心となっています。それに対し、本学は市の南端近くの岩船地域に位置しております(平成の大合併により村上市は南北に長く広い面積を持っています)。本学からは海が近いですが、海抜およそ9メートルの小高い場所(山からは遠い、岩船の市街地)にあります。このような地理も幸いし、被害がなかったと推察しています。

新潟県ヘルスプロモーションプロジェクト推進会議が立ち上がりました

新潟県では、平均寿命と健康寿命の差(日常生活に制限のある不健康な期間)をできるだけ縮め、全国トップクラスの健康寿命となることを目指すなど、「健康立県」の実現に向けた県民運動を今後進めていくとのこと…そのために「ヘルスプロモーションプロジェクト推進会議」なるものが発足されました。

私もその会議の委員に委嘱され、初会合が1週間前の5月21日(火)、新潟市のユニゾンプラザで開催されたので出席してきました。教育機関からは県内の医療系大学の学長等が委員となっており、他に行政、医療、経済、マスコミそれぞれの分野のトップが集結されました。

会議の冒頭で、花角知事から挨拶がありましたが、本プロジェクトは知事肝いりの健康立県構想を実現するため、県民一人一人が健康づくりに取り組む環境の整備を目指すとのことでした。今後、年内に数回会合を持ち、イベントやテレビでのキャンペーンなどを通じて県民に健康づくりを呼び掛ける事業を9月頃から始めるとのことでした。

県の担当者のプレゼンテーションでは、県民の健康面での課題として、食塩摂取量の多さや若い人のガン検診受診率の低さなどが指摘されました。それに対し、プロジェクトでは「食生活」「運動」「早期発見・早期受診」「口腔ケア」「生きがい幸福度」「たばこ」の6つのテーマで取り組みたいと説明がありました。(少し特異な分野に偏っている気もしましたが…)

さらに、事例報告が2例ありましたが、うち1例は、村上市食生活改善推進委員協議会が村上市のある企業の従業員に対し、減塩指導をした内容でした。タイムリーなことに、今年の本学の学園祭(6月29日(土)本学において開催予定:興味のある方は是非お越しください)の1企画として、本学学習センターが村上市食生活改善推進委員とコラボした模擬店を出し、村上の郷土料理をふるまう、ということを聞いています。また、学園祭以外でも、学生・教職員向けの減塩セミナーの企画も予定していると聞いています。

今後、平均寿命がさらに延伸していくことが予想されますが、健康寿命との差が拡大すれば、医療費や介護給付費の多くを消費する期間が増大することになります。上記のような取り組みを通じて、疾病予防と健康増進、介護予防などが進み、平均寿命と健康寿命の差を短縮することができれば、個人の生活の質の低下が防がれるだけでなく、社会保障負担の軽減にも繋がっていくことが期待できるかもしれません。

前学長の野田忠氏が瑞宝中綬章を受章されました

本学の第2代学長で名誉教授の野田 忠(のだ ただし)氏が、令和元年春の叙勲において瑞宝中綬章を受章されました。初代学長の大澤源吾氏に続いて、本学で2人目の受章となりました。本学ホームページのNews & Topicsに、本情報とご本人のお写真も掲載されていますので、あわせてご覧ください。https://nur.ac.jp/news/7566/

野田氏について、少しご紹介させていただきます。

野田氏は、神奈川県に生まれ、東京医科歯科大学歯学部をご卒業された後、東京医科歯科大学歯学部附属病院小児歯科助手、歯学博士の学位取得、国立小児病院歯科医長、新潟大学歯学部助教授、同教授、新潟大学歯学部附属病院長などを歴任されたのち、平成19年3月に新潟大学を定年退職されました。同年4月から、本学の前身となる新潟リハビリテーション大学院大学教授に就任され、さらに平成23年3月から新潟リハビリテーション大学の第2代学長に就任されました。平成27年3月で学長を退かれましたが、平成28年3月まで客員教授として本学に在籍されました。

野田氏は、私がはるか数十年前に歯学部生だった頃、小児歯科学を教えていただいた恩師でもあります。以下に、国に提出させていただいた功績調書の中から一部抜粋・(言い回しを)改変して、本学に着任される前のご功績の一部をご紹介させていただきます。

野田氏が小児歯科臨床に取り組まれた初期の時代は、患者の洪水の時代でありました。たくさんの患者さまの治療に当たられましたが、特に、国立小児病院では、全身疾患や障害のある子どもさんの歯科治療を行うなど、対象となる患者さまの範囲を広げられました。その後、新潟大学では、歯学部の創設期に着任され、新たに「小児歯科」を開設されました。野田氏を頼りに、青森など遠方から治療に来る患者さまもいらっしゃり、小児歯科の待合室は患者さまや付添のご家族で、いつもあふれ、遅くまで診療されていたのがとても印象的でした。また、新潟県の知的障害者総合援護施設「コロニーにいがた白岩の里」にも関係し、さまざまな障害を持つ児童の歯科治療にも携われました。その間、日本小児歯科専門医、指導医の資格も取得され、平成18年5月には、小児歯科学会賞を受賞されています。

昭和62年3月から、文部省在外研究員として出張され、スウエーデン、デンマーク、フィンランド、ドイツ、フランス、イギリス、アメリカと回られ、各国の小児歯科臨床の現場を視察されました。

研究では、大学院生や医局員たちと、小児歯科はもちろん、解剖学、生理学、生化学、病理学の研究室と連携して臨床のみならず基礎研究も行われました。小児の口腔の発育で、吸啜(きゅうてつ(せつ):おっぱいやほ乳瓶からミルクなどを飲む)から咀嚼(そしゃく:固形物をかむ)へと機能発達していく過程を考慮しながら、小児歯科の治療の範囲を広げ、ベースとなる研究も行われました。同時に歯の萌出障害に関連する論文や著書を多数発表されました。当時口腔生理学講座に在籍していた私は、小児歯科学講座から派遣されてくる大学院生たちといっしょに基礎研究をさせていただきました。

教育では、新潟大学の学際的オムニバス科目である、「食べる」という科目のコーディネートを担当されました。「食べる」は、100人の定員のところ、1,000人の受講希望者が集まるほど盛況でした。さらに、その講義内容をまとめ、「食べる」「続食べる」「食べる 成育編」「新潟発 食べる」「食べる 介護編」の小冊子を編集出版されました。私も「食べる」のオムニバス教員として講義の一部を担当させていただき、小冊子も分担で執筆させていただきました。なお、「食べる」で、野田氏は、平成17年度の新潟大学教育褒賞を受賞されています。

以上、ご功績のほんの一部のみを紹介させていただきましたが、野田氏は、小児歯科をベースに、診療、研究、地域貢献など、多方面にわたって貢献されてきており、その功績は非常に顕著なものがあります。

最後になりましたが、このたびの受章、まことにおめでとうございます。今後もお元気で、ますますのご活躍を祈念しています。

令和の時代も学生教育の改善に努めていきます

当地は運よく、令和の初日の出を拝むことができました。新しい時代が始まりました。今日は近くの神社にも参拝してきました。この時代が良い時代となりますように…

新天皇陛下が「即位後朝見の儀」で述べられた、「常に国民を思い、国民に寄り添いながら」というお言葉が、とても心に響きました。大学の教員にあっては、「常に学生を思い、学生に寄り添いながら」ということが大切と考えます。

本学では開学以来、学生による授業評価アンケートを実施しており、教員ひとり一人に学生目線での気づきを起こさせ、授業改善へ向けての努力を引き出しています。しかし、記述式、選択式のアンケートのみでは形式的な内容しか把握できない恐れがあることから、昨年度より、各専攻の学生の代表と教員数名が、対面でのミーティング形式で、授業改善に向けて話し合う機会を設けています。学生にはリラックスした環境で本音を言ってもらうために、ランチタイムに軽食を提供しながらの会としています。

今年度は、去る4月18日(木)に、FD/SD委員会主催で約75分間、密度の濃い授業改善ミーティングを実施し、私も教員メンバーの一人として参加しました。学生からの意見で印象的だったのは、「教員が学生を鼓舞するつもりでかけている言葉が、学生にとってはかえってやる気をなくす言葉になってしまうことがある」、とのことで、具体的な言葉かけの例も、聞かせていただきました。本当に、教員なら普段、何気なく言ってしまいそうな言葉であったことから、新しい気づきを得ることができました。

さて、本学のある村上市は、新皇后雅子さまのゆかりの地でもあります。雅子さまのお印は、村上市の花でもある「ハマナス」です。そして、2017年に制定した本学のロゴマークも「ハマナス」をモチーフとしています。https://nur.ac.jp/about/logo/

新しい時代に、本学も、本学で学ぶ学生達も、大きな花を咲かせることができるよう、教員は日々努力を続けていきます。

県知事と県内学長との懇談・懇親会がありました

桜の次はチューリップです。新潟の春は、カラフルな花々が私たちの目を楽しませてくれます。写真は昨日4月21日の新潟ふるさと村(新潟市)の花畑(チューリップガーデン)の風景です。新潟港開港150周年を記念して、新潟港を発展させた商船「北前船」を「50,000本・32品種」のチューリップで表現してあるそうです。今年は春先に暖かい日が続いたこともあり、例年より早い見頃を迎えているようですが、まだしばらくは楽しめると思います。チューリップは新潟県の花(昭和38年8月23日制定、切り花出荷量全国1位、球根出荷量全国2位)であります。

その新潟県の第21代知事に花角英世知事が就任されてから、10ヶ月ほど経ちましたが、去る4月10日に、高等教育コンソーシアムにいがた初の試みである、県知事と県内学長との懇談・懇親会が、ホテルイタリア軒(新潟市)で開催されました。同コンソーシアムでは、知事との懇談の企画は、前の知事の時代よりあったのですが、種々の理由により、実現できずにいたのでした。当日は冷たい雨が降りしきり、また、新学期が始まったばかりの忙しい時期でしたが、学長の出席率は良好でした。

懇談会は予定時間をだいぶ超過するほど盛り上がりました。新潟県の人口減少問題を切り口に、どのようにしたら若者を県内に定着させられるかについて、大学の魅力向上、産学官連携、地域貢献の事例紹介を元に、学生確保の方策について議論しました。さまざまな事例紹介を聞かせていただき、どの大学も、特色ある良い取り組みを行って、苦労しながらも学生確保のための努力を惜しまずに一生懸命行っているということを改めて確認することができました。しかし、新潟県人の気質も影響し、概してアピール・広報の仕方がうまくなく、受験生ほか県民全体に、効果的に伝わっていないのではないか、という意見も多く聞かれました。

懇談会後は、立食形式の懇親会が催されました。本学は今年度、コンソーシアムの副会長校ということから、私は懇親会の冒頭の挨拶を担当させていただきました。その恩恵もあり? 会の最初から、本学のことなどについて、知事とお話しさせていただくことができました。

*高等教育コンソーシアムにいがたは、新潟県内の大学等が相互に連携・協力し、教育・ 研究の質的向上と発展を実現する組織であり、県内全大学長等が理事となっています。コンソーシアムとは、共同事業体のことです。

4月4日平成31年度入学式を挙行いたしました

昨日4月4日、村上市民ふれあいセンターにおいて、平成31年度入学式を挙行いたしました。同一法人である新潟看護医療専門学校村上校との合同入学式でした。入学式の日は、ここ数年、晴天に恵まれています。今年度の入学式は前日まで雨が続き、当日朝までも雨が残り風も強く荒れた天気でしたが、入学式が始まる頃までには雨も上がり、時折、晴れ間もみられるようになりました。雨上がりの空のもと、新入生の皆さんも、気持ちの良いスタートがきれたことと思います。以下に、入学式の学長式辞を掲載いたします。

柔らかな春の光に誘われて、桜のつぼみも膨らみ始めました。
この良き日に、新潟リハビリテーション大学医療学部、大学院、そして新潟看護医療専門学校村上校に、入学された皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。皆さんの入学を心よりお祝い申し上げます。同時に、これまでの皆さんのご努力に敬意を表しますとともに、皆さんを支えてこられましたご家族や関係者の皆さまにお祝い申し上げます。また、ご来賓の皆様におかれましては、お忙しい中ご臨席を賜り、新入生の門出を共に祝っていただきますことを厚く御礼申し上げます。

さて、本学は、平成7年からの専門学校におけるリハビリテーション教育を礎に、平成19年に、大学院だけを持つ、新潟リハビリテーション大学院大学として開学いたしました。そののち、平成22年に医療学部を増設して現在の大学の姿になりました。本学園における、リハビリテーション教育に関していえば、県内でも屈指の歴史と伝統があります。

大学となった当初、医療学部リハビリテーション学科には、理学療法学専攻と言語聴覚学専攻のみを開設していましたが、その後、作業療法学専攻とリハビリテーション心理学専攻を設けるなど、学びの分野を広げてまいりました。

また、大学院修士課程でも、当初は、リハビリテーション研究科リハビリテーション医療学専攻の中に、摂食・嚥下障害コースと高次脳機能障害コースのみを開設していましたが、その後、運動機能科学コース、心の健康科学コース、そして言語聴覚障害コースを立ち上げ、全部で5つの履修コースとなりました。さらには、平成28年より東京地区に社会人向けのサテライトキャンパスを設け、そこでは全国各地から向学心あふれる学生達が集い、学修に研究にと励んでいます。

今後も時代のニーズに応え、地域や社会に必要とされ、研究に裏打ちされた教育機関となるよう、さらなる改革や改編を進めてまいります。大学をとりまく地域社会や産業界との連携も強化しながら、魅力ある大学づくりを行っていきたいと考えております。

本学の位置する新潟県北地域は、豊かな自然と、長い歴史とともに受け継がれてきた 伝統と文化を兼ね備えた、情趣ある資源に満ち溢れています。

4年前には村上市をはじめ、近隣の関川村や粟島浦村と、また産業界とは地元の岩船商工業会様と包括連携協定を締結いたしました。協定に基づいて、本学がこれまで積み上げてきた保健、医療、福祉および研究・技術開発などに関する活動実績を相互協力へと発展させ、地域に必要とされる大学であり続けるよう、さらなる努力を重ねています。

学生教育においても、地域の自然環境や地場産業、温かい人々とのふれあいなどを活用させていただきながら、地域の課題解決に取り組み、地域の活性化に向けて活動を進めています。この地域に根差した学生教育の特色ある取り組みについては、新潟県大学魅力向上支援事業に毎年連続して採択されています。

また、文部科学省私立大学等改革総合支援事業においても、「教育の質的転換」の分野で毎年連続して選定されています。本事業は、学生教育において、特色化や機能強化に向けた改革に全学的・組織的に取り組み、教育の質向上を目指している大学、かつ高大接続改革に積極的に取り組んでいる大学を重点的に支援するものであります。本学は他学に先駆けて、文科省の意図する教育の質向上に沿う形で学生教育を展開していることが認められたものです。

時代は急激に変化しています。来月には新しい元号「令和」の時代が始まります。令和には、人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ、という意味が込められているとのことです。

本学は、そのような希望に満ち溢れた新しい時代にもふさわしい基本理念として、開学以来「人の心の杖であれ」を掲げています。

皆さんがこれから向かっていく社会は、少子高齢化や人口減少がいっそう進み、さらにはグローバル化の波が押し寄せ、人工知能、ロボット、再生医療など新たな科学技術が進展し、私たちの生活環境や就業形態が、大きく変化していくことが予想されています。

人工知能やロボットが多くの仕事を代替するようになり、お互いの顔が見えなくなるかもしれません。しかし、そのような社会こそ、人と人とが実際に触れ合い、真摯に向き合うことが大切になると思います。

人の心を読み取り共感し、優しく温かい心を通わすことが必要な、皆さんが選んだ本領域は、いつまでも世の中から必要とされます。まさしく、人でないと目的を達成することができない大切な道です。

本学では、知識や技術だけではない、細やかな心遣いで、患者さまやご家族をはじめ周囲の方々をしっかりと支えていけるような、人材を育成しています。本学が重視している教育の基本は、専門を深く極めることはもちろんですが、広い視野と優しい心遣いをもって、ものごとを総合的に判断し、背景にあるさまざまな課題までも見いだして解決していき、それぞれの分野で大きく花を咲かせることのできる人材を育成することであります。

このために、本学の教職員は一体となって、学生ひとりひとりに丁寧な教育を行い、ともに新しい時代を切り拓いていくべく、日々努力を重ねています。

ところで、これまでの皆さんの多くは、与えられた課題を解いていく学びが中心だったと思いますが、大学では、自ら課題を求め、それに対してさまざまな角度から向き合い、解決策を探して実行していく能動的な学修の姿勢が求められます。

大学での学びは、受け身の姿勢で知識を蓄積させるだけでは意味をなしません。自ら主体的・積極的に学ぶ姿勢を示し、知識や技術を用いて、いかに新しい考えを生み出したり発見したりするかが重要です。自分が学びたいと思うことを、自ら学んでいくことこそが、大学での学びの姿勢となります。

そして、大学では是非、同じ専攻や同じ学年に限らず、広く同級生や先輩たちと交わり、自分の視野や可能性を広げる努力をしてください。

かけがえのない仲間は、大学での学びを支える大きな役目を果たしてくれるはずです。自分の夢や目標がわからなくなったとき、迷ったとき、仲間たちはきっと、素晴らしいアドバイスをくれ、導いてくれることでしょう。

また、学内には、皆さんの学修支援や生活支援、心身の相談といった、さまざまな機能をもつ学習センターのほか、保健室、クリニックなどを整備しています。もちろん、教職員一人ひとりがいつでも真摯に相談・対応いたします。どうぞ、学内の施設や人的資源を有効に活用してください。

皆さんは今、これから始まる大学生活に期待する気持ちと、不安に思う気持ちが交錯していることでしょう。どうか、ひるまずに前へ進んでいってください。そして、これまでとは違うひとまわり広い世界に目を向けてみてください。大学生時代は、人生の中でもかけがえのない大切な時期です。

最後になりましたが、皆さん一人ひとりが、さまざまなことに目を向け、実り多い大学生活を送られることを心から祈り、私からのお祝いと歓迎の言葉とさせていただきます。

平成31年4月4日
新潟リハビリテーション大学長 山村千絵

平成30年度卒業証書・学位記授与式を執り行いました

3月15日(金)、本学と新潟看護医療専門学校村上校合同の「平成30年度卒業証書・学位記授与式」を村上市民ふれあいセンターで執り行いました(写真左)。当日は、数日続いていた冬型の気圧配置がようやく緩み始め、肌寒さは残るものの徐々に晴れ間が広がり、卒業生・修了生を送り出すにふさわしい日となりました。式の様子は、当日夕方、NHKテレビのニュース(新潟版)で2分弱にわたり紹介されました。本日(17日)現在、NHK新潟放送局のウェブサイトにニュースと同じ内容の動画もあがっています。

式の後は瀬波温泉の宿に移動し、大学院謝恩会、そしてさらに別の温泉宿に移動して、学部謝恩会と続きました。東京サテライトキャンパスで学んでいた大学院生たちも村上での式と謝恩会に出席してくれました。院生からは、大きく美しい花束をいただきました(写真右、花瓶に生けた花束)。

以下に、学長告辞を掲載いたします。

モノクロだった景色に、草木の緑や土の色が加わり、冷たく凍っていた川は、さらさらと優しく流れるようになりました。春寒の残っている冷たい空気の中にも、さまざまな息吹が感じられ、旅立ちにふさわしい季節がやってきました。

本日、新潟リハビリテーション大学の教職員一同は、医療学部を卒業される皆さん、そして、大学院修士課程を修了される皆さんを送り出す日を迎えました。それから、北都健勝学園が目指す同じ理念のもとで学びを深めてきた、新潟看護医療専門学校村上校を卒業される皆さんも、いっしょにお祝いさせてください。

このよき日に、ご来賓の皆さま、そしてご家族、地域の方々、関係者の皆様には、お忙しいところ、ご列席くださいまして誠に有難うございます。

私たち教職員は、卒業生・修了生とのたくさんの思い出を抱え、名残が尽きない気持ちでいっぱいですが、心から祝福して送り出したいと思います。卒業生、修了生の皆さん、おめでとうございます。また、ご家族や関係者の皆様にも、心よりお慶びを申し上げます。これまで、本学に賜りましたご支援とご協力に改めまして感謝申し上げます。

卒業生、修了生の皆さんは、これから新しい道へと進んでいかれます。臨床現場に入って患者さまと真剣に向き合われる方、あるいは、さらに学びを深めてステップアップを目指す方、そのほかにも、皆さんのこれからの人生には、さまざまな可能性が広がっています。どの道を進むにしても、新たな道へ歩んでいくために、本学から巣立っていくという、一区切りの日を迎えることができたのは、これまでの皆さんの努力によることはもちろんですが、ご家族の方々をはじめ、諸先生方、友人たち、地域の方々、その他、多くの方々の温かい愛情と限りないお力添えのお陰だということをどうか忘れないでください。そして、本学で学んだことを活かし、本学の卒業生・修了生としての自覚と自信を持って挑戦を忘れることなく今後の人生を送っていただきたいと思います。

受け身ではなく、自ら進んで調べ学んでいくという、主体的な学びの姿勢が求められた大学では、楽しいことばかりではなく、時には思い通りにならずに挫折をしたり、投げ出したくなったり、多くの研鑽や努力を必要とする辛い日々もあったことと思います。しかし皆さんは、さまざまな試練を乗り越えて、今日の日を迎えることができました。まずはそのことに自信を持って進んでいって下さい。

さて、皆さんがこれから向かっていく社会は、少子高齢化や人口減少がいっそう進み、さらにはグローバル化の波が押し寄せ、人工知能、ロボット、再生医療など新たな科学技術が進展し、私たちの生活環境や就業形態が、大きく変化していくことが予想されています。いわゆる、Society 5.0と呼ばれる超スマート社会となり、ICTやIOTが人や物をインターネットに繋げ、人工知能やロボットが多くの仕事を代替するようになり、お互いの顔が見えなくなるかもしれません。しかし、そのような社会こそ、人と人とが実際に触れ合い、真摯に向き合うことが大切になると思います。皆さんが目指す医療・保健・福祉あるいは教育・研究の世界においては、なおさらのことです。人の心を読み取り共感し、優しく温かい心を通わすことが必要な本領域の業務は、いつまでも世の中から必要とされます。皆さんが選んだ道は、まさしく、人でないと目的を達成することができない大切な道です。

本学園では、創設以来「人の心の杖であれ」を理念に掲げ、知識や技術だけではない、細やかな心遣いで患者さまやご家族をはじめ周囲の方々をしっかりと支えていけるような、人材を育成してきました。これまで皆さんが培ってきた知識、技術、そして優しさや思いやりをさらに成長させ、どんな場面でも決して諦めないで挑戦を続けていく強い心を養うと共に、医療人としての崇高な倫理観を今後も育んでいってください。

私自身の人生を振り返ってみても、困難に出会った時は、相談に乗ったり助けてくれたりする人の存在、大学で学んだことや社会での経験などが役に立ちました。心折れることなく、挑戦を続け、勇気をもって困難に立ち向かってこそ、満足のいく人生が送れるのではないかと思います。

さて、本学は、学園の伝統ある専門学校教育を土台として発展させ、平成19年度に大学院だけをもつ新潟リハビリテーション大学院大学として開学したのち、平成22年度に医療学部を増設して、新潟リハビリテーション大学という現在の姿になりました。大学になった平成22年度当初の医療学部は、リハビリテーション学科の中に理学療法学専攻と言語聴覚学専攻の2専攻のみが存在しましたが、現在までに、作業療法学専攻とリハビリテーション心理学専攻を増設し、全部で4専攻となりました。そして、最後に立ち上げたリハビリテーション心理学専攻でも、今年度初めての卒業生を送り出します。一方、大学院修士課程でも平成19年度当初は、リハビリテーション研究科リハビリテーション医療学専攻の中に、摂食・嚥下障害コースと高次脳機能障害コースの2コースのみが存在しましたが、現在までに、運動機能科学コース、心の健康科学コース、言語聴覚障害コースを増設し、全部で5つの履修コースとなりました。そして、平成28年度からは、東京の交通至便な場所に、社会人向けのサテライトキャンパスを開設しています。そこでは、全国各地から向学心あふれる学生たちが集い、高度で専門的な特色ある学びを実践しています。今日も、この式には、2期目となる修了生たちが遠方から列席してくれています。今後も時代のニーズに応え、地域の方々に必要とされ、研究に裏打ちされた教育機関となるよう、さらなる改革や改編を進めて参ります。大学をとりまく地域社会や産業界との連携も強化していきたいと考えております。

そのためには、卒業生・修了生の皆さんにも協力していただき、皆さんといっしょに歩んでいく大学でなくてはなりません。今後とも新潟リハビリテーション大学に対して強い思いを持ち続けていただきたく、お願い申し上げます。皆さんは、これからの人生の中で困難に直面し、解決のための相談やアドバイスが必要になることもあるでしょう。その時には本学のことを思い出して、遠慮なく戻ってきてください。本学は、皆さんが適切な解決策を見出し、ピンチをチャンスに変えるためのお手伝いや応援をする場であり続けたいと考えています。今日の卒業式・修了式は、新しいスタートラインにつく皆さんと、さらにつながりを強めていくための一区切りの式と捉えてください。

最後になりましたが、皆さんが、健康であり続けるとともに、これからも不断に学び続け、希望に満ちた明るい未来を切り拓いていき、大きく飛躍して多方面で活躍されることを心より祈念し、私の告辞といたします。

本日は卒業・修了おめでとうございます。

平成31年3月15日     新潟リハビリテーション大学長 山村 千絵

 

 

スケートパーク視察とトップアスリート認定式出席

本学のある村上市は、東京オリンピック・パラリンピックの正式種目となった「スケートボード」に出場できる選手の育成や地域活性化を目指し、「村上市スケートパーク」の建設を進めています。同施設は、この3月下旬に完成が予定されているとのことですが、先週3月5日に、完成間近で工事中の現場を視察する機会がありました。ヘルメットを着用して、関係者数名とアリーナ等を見学させてもらいました(左写真)。

完成すれば、屋内型の施設としては日本最大級の規模となるとのことで、国内外のスケートボード選手が集い、村上市がスケートボードの聖地となるよう整備を進めているとのことでした。また、オリンピック種目となる「ストリート(街にあるような階段や手すり、縁石やベンチ、壁や坂道などを模した直線的な構造物を配したコースで技を競う:左写真の向かって左半分)」と「パーク(大きな皿や深いお椀をいくつも組み合わせたような、複雑な形をした窪地状のコースで技を競う:左写真の向かって右半分)」ともに、アリーナに設置されるとのことでした。

スケートボード施設のほかにバランス感覚が養えるボルダリング(クライミングの一種で最低限の道具で岩や石、人工の壁面を登るスポーツ)、スラックライン(細いベルト状のラインの上でバランスを取る)の設備をあわせて整備されるほか、構造材および仕上げ材に村上市産杉材を使用しているとの説明もありました。

同日に、一般社団法人健康ビジネス協議会(本学も会員となっています)が、新潟から世界へ通用するトップアスリートを育成・輩出し続けるための取組であるNWS(Niigata of Ween the Sports Support System:未来を担うスポーツ選手をサポートする制度)プロジェクトの一環として、NWSトップアスリート認定式を村上市瀬波温泉の旅館で開催しましたので、そちらにも出席してきました。

選手が世界トップレベルへの挑戦を続けるために必要な遠征手配、資金管理、競技生活と教育の両立、怪我の不安の除去、競技生活後の生活の安定など、様々な課題に対して選手のニーズを聞き入れながら多方面から支援するとのことです。

今回の認定式では、トップアスリートとして、「パーク」種目での日本選手権で去年、優勝した笹岡建介選手(右写真の前列右から3人目)が選ばれました。また、ジュニアの選手や選手を育成するチームも認定され、健康ビジネス協議会の会長より一人一人に認定証が手渡されました。その後の記念撮影で、私も認定された選手たちといっしょに写ることができました(右写真:私は後列左から4人目)。

本学は、スポーツ選手たちの身体と心の両面を支えることができる人材も育成しており、毎年、学生や教職員が、村上・笹川流れ国際トライアスロン大会をサポートしている実績もあることから、今後、スケートボード選手たちの支援にも様々な面で関わっていけたらと思っています。