新潟県では、平均寿命と健康寿命の差(日常生活に制限のある不健康な期間)をできるだけ縮め、全国トップクラスの健康寿命となることを目指すなど、「健康立県」の実現に向けた県民運動を今後進めていくとのこと…そのために「ヘルスプロモーションプロジェクト推進会議」なるものが発足されました。
私もその会議の委員に委嘱され、初会合が1週間前の5月21日(火)、新潟市のユニゾンプラザで開催されたので出席してきました。教育機関からは県内の医療系大学の学長等が委員となっており、他に行政、医療、経済、マスコミそれぞれの分野のトップが集結されました。
会議の冒頭で、花角知事から挨拶がありましたが、本プロジェクトは知事肝いりの健康立県構想を実現するため、県民一人一人が健康づくりに取り組む環境の整備を目指すとのことでした。今後、年内に数回会合を持ち、イベントやテレビでのキャンペーンなどを通じて県民に健康づくりを呼び掛ける事業を9月頃から始めるとのことでした。
県の担当者のプレゼンテーションでは、県民の健康面での課題として、食塩摂取量の多さや若い人のガン検診受診率の低さなどが指摘されました。それに対し、プロジェクトでは「食生活」「運動」「早期発見・早期受診」「口腔ケア」「生きがい幸福度」「たばこ」の6つのテーマで取り組みたいと説明がありました。(少し特異な分野に偏っている気もしましたが…)
さらに、事例報告が2例ありましたが、うち1例は、村上市食生活改善推進委員協議会が村上市のある企業の従業員に対し、減塩指導をした内容でした。タイムリーなことに、今年の本学の学園祭(6月29日(土)本学において開催予定:興味のある方は是非お越しください)の1企画として、本学学習センターが村上市食生活改善推進委員とコラボした模擬店を出し、村上の郷土料理をふるまう、ということを聞いています。また、学園祭以外でも、学生・教職員向けの減塩セミナーの企画も予定していると聞いています。
今後、平均寿命がさらに延伸していくことが予想されますが、健康寿命との差が拡大すれば、医療費や介護給付費の多くを消費する期間が増大することになります。上記のような取り組みを通じて、疾病予防と健康増進、介護予防などが進み、平均寿命と健康寿命の差を短縮することができれば、個人の生活の質の低下が防がれるだけでなく、社会保障負担の軽減にも繋がっていくことが期待できるかもしれません。