新潟リハビリテーション大学
 
地域の力を借りて進める介護食開発の研究

地域の力を借りて進める介護食開発の研究

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私が地域の力を借りて進めている「介護食開発の研究」では、写真のような大型の食品加工機械(ソフトスチーム加工機械)を用いています。この機械は、村上市高根集落の廃校となった小学校の校舎内に設置されています。

村上市は2008年に周辺の町や村と合併し、もともと広かった市の面積をさらに拡大しました。市の北部や東部は山形県と隣接していますが、北東部に位置する旧朝日村地区の山あいに高根という集落があります。おそらく皆さんが想像されるとおり、過疎化がいっそう進んだ地域ではありますが、地域活性化のためにユニークな事業に多く取り組んでいることは注目に値すると思います。たとえば廃校となった小学校をベースに、郷土料理をふるまう食堂を開設したり、特産米を使ってどぶろくの製造を行ったり、屋外の窯を使ったピザ焼き体験を子供たちに提供したりと、さまざまな活動が展開されています。

そして、今、私の研究で活用している、わが国でも珍しい「大型のソフトスチーム機械」が、ここに導入されているのです。私は旧高根小学校でソフトスチーム機械を管理運用しているSさんに協力してもらい、主に食べる力や飲み込む力が衰えた高齢者向けの食品(食材)を、この機械を使って開発する研究を進めています。この研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業の研究課題としても採択されています(2011~2013年度:課題番号23500940, 2014~2016年度:課題番号26350107)。

今日はSさんと、今後の研究の打ち合わせを行いました。学長業務の合間を縫っての研究ではありますが、何とか成功させたいと思っています。この加工機械を使って調整した食材の一番大きな特徴は「おいしく食べやすい」ことでしょう。「おいしさ」は食欲を力強く引き出すことに繋がり、「食欲」は高齢者の食べる・飲み込む過程を速やかに円滑に行わせるのに役立ちます。 高齢者に喜んでもらえる食材の流通を目指して、努力していきます。