ここ数日、6月にも関わらず最高気温が20℃まで達しない肌寒い日が続いています。こんな日は、冷たい飲み物より温かい飲み物が欲しくなります。
さて、皆さんは甘酒をお好きでしょうか?甘酒は温めても冷やしても、どちらでもいける飲み物です。どちらかというと、冬、お正月などに熱々を飲むイメージがありますが、かつて江戸時代には、夏の栄養ドリンクの一種として、もてはやされていたそうです。最近はブームが再来し、「飲む点滴」としても注目を浴びています。甘酒は天然のブドウ糖の甘みにビタミン・ミネラルがたっぷり含まれていて滋養豊富であり、かつ、特に中・高齢者にとっては、子どもの頃に親しんだ、なつかしい味わいのある飲み物だと思います。私も、子どもの頃、冬に雪で作った「かまくら」の中に入って飲んだ記憶があります。
本学では、毎月1回土曜日、年間を通じて、認知症(オレンジ)カフェを開催しています。認知症カフェは、認知症のご本人やご家族、地域住民、専門職など、認知症に関心のある誰もが気軽に集まり、仲間づくりや情報交換を行う拠点として全国的にも広がりをみせています。高齢化が進む我が国では、7年後には5人に1人が認知症になるともいわれており、その対策として推進されているものの1つが認知症カフェの普及です。
本学における認知症カフェでは、当事者同士が交流できるゲームやアクティビティなどに、学生のアイディアが活かされ、学生がカフェの運営に協力してくれています。若い学生と参加者との交流は、とりわけ当事者にとって新鮮な刺激となり大きな効果が期待されます。
そんな本学の認知症カフェで、秋から、村上市の地元酒蔵の大洋酒造さんとタイアップして、甘酒を提供致します。当事者の皆さまには、甘酒をきっかけに昔を思い出してもらい、その思い出を語ってもらい、学生がこれを傾聴します。甘酒体験により懐かしさが湧出したり、その他の感情の変化があったりするかについて聞き取り、認知機能全般に変化がもたらされるかについて調査致します。認知症予防事業に用いられているいわゆる回想法による効果を期待しています。
- 回想法による効果
・認知症予防事業にも用いられ、効果のあることが報告されています。・昔のことを回想してもらうと、海馬や前頭葉が活発に刺激されます。・他人とコミュニケーションを取りながら行うことにより、前頭葉がさらに活性化し、認知症の進行抑制・治療効果も期待できます。
- 甘酒により期待される効果
・昔懐かしい飲物を使用することで「味覚」「嗅覚」をはじめとする「五感」が刺激され、より回想法の効果が高まります。・認知症カフェの場で、みんなとコミュニケーションを取りながら実施することで、より高い改善効果が期待できます。・最近は豊富な栄養成分が着目され、体にも良いと言われています。
なお、上記計画につきましては、平成30年度新潟県大学魅力向上支援事業に申請した内容の一部となります。