新潟リハビリテーション大学
 
学部講義「摂食嚥下障害学概論」で工夫していること

学部講義「摂食嚥下障害学概論」で工夫していること

先週から、学部2年生の講義「摂食嚥下障害学概論」を担当しています。この講義科目は、言語聴覚学専攻の学生は必修、他専攻の学生は選択科目となっています。今年度は、理学療法学専攻と作業療法学専攻の学生からも数名ずつ履修いただいています。

最近の大学の講義は、パワーポイントスライドを使用して進めていくものや、アクティブ・ラーニング手法により学生に主体性を持たせて進めていくものが多くなっています。スライドできれいな図表を見せながら…も良いですが、学生がノートをとらずに眺めているだけでわかったつもりになったり、平面的な内容になってしまったりするのが難点です。アクティブラーニングもある程度、基礎知識がある学生で講義のコマ数が多い場合は有効でしょう。

しかし、私が今担当している摂食嚥下障害学概論は8コマのみ、履修学生の背景知識も、所属専攻によって異なります。このようなときに、効果的に、講義を進めて行くにはどうしたらよいか…、講義中に学生の五感を使わせることで、眠くさせずに飽きさせずに…、と考えて実践しています。解剖学的構造の回では、さまざまな立体的な模型(写真は代表的なもの、他にもあり)を各自に触らせて(触覚)確認させ、同時に手鏡を使って自分自身の口腔内の構造物を照らし合わせて観察して(視覚)もらっています。食べる・飲み込むに関係する講義ですので、実際に、食べたり飲んだり(味覚)、においを嗅いだり(嗅覚)、食べたり飲んだりする音を聞いたり(聴覚)と、各自の感覚をフルに働かせて知識の定着と応用を図るよう、試みています。このような講義では、大講義室では難しい(大勢の人数分、いろいろな材料を準備するのも困難)… 本学のような少人数教育だからこそ、できることかもしれません。