本学の桜が満開になりました。美しい心を持って美しい桜を眺めましょう。
さて、このたび、ご住職の方から、私たちの心の持ち方についてお話を聞く機会があり、「四苦八苦」についてお教え頂きました。
「四苦八苦」は、私たちが日常よく使う言葉ではありますが、もとは仏教用語だそうです。お釈迦さまは、仏の悟りをひらかれたときに「人生は苦なり」とおっしゃったとのこと。しかし、皆さんの中には、「人生は楽しみなり」という方もいらっしゃるかもしれません。
そこで皆さん、これまでの自分の人生を振り返り、あるいはこれからの人生を予測して、「苦」と「楽」と、どちらが多かった、あるいは多いと思われるでしょうか?たとえ、「楽」の方が多いと感じる場合でも、悩みや苦がひとつもない人などは、いないのではないでしょうか?
お釈迦さまは、すべての人が逃れることが出来ない「苦」を、大きく四つ、さらに四つ加えて、全部で八つに 分けて教えられ、それを「四苦八苦」として示されました。ただし、苦とは、「苦しみ」のことではなく「思うようにならない」ことを意味するということです。
1、生苦 生まれてきたとき及び生きていくことの苦
2、老苦 老いていくことの苦
3、病苦 病気にかかることの苦
4、死苦 死んでいくことの苦
(1~4は、人の生き物として起こる苦で、四苦という)
5、愛別離苦(あいべつりく) 愛する者と別離すること
6、怨憎会苦(おんぞうえく) 怨み憎んでいる者に会うこと
7、求不得苦(ぐふとっく) 求める物が得られないこと
8、五蘊盛苦(ごうんじょうく)五蘊 (人間の肉体と精神)が思うとおりにならないこと
(5~8は、人が人であるために味わう苦で、四苦と合わせて八苦という)
「苦」から目をそらしている間は、 心からの安心や満足はなく、「苦」から目をそらさず、見つめて行くことが本当の幸せへの第一歩だということだそうです。「四苦八苦」の教えを通して「苦」にも目を向けてみたらいかがでしょうか?
学生の皆さんであれば、たとえば、本来の「四苦八苦」に属するものではないですが、苦手科目だから…とあきらめたり、苦手な先生や先輩だから…と避けたりするのではなく、しっかりと向き合うことが大切なのではないでしょうか?