新潟リハビリテーション大学
 
平成28年度入学式を挙行いたしました

平成28年度入学式を挙行いたしました

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本日4月6日午後、村上市民ふれあいセンターにおいて、平成28年度入学式を挙行いたしました。同一法人である新潟看護医療専門学校村上校との合同入学式でした。

厚手のアカデミックドレスを着用し、会場のライトを浴びていた私は、汗ばむくらいに感じられる一日でした。

新入生の皆さま、入学おめでとうございます。すでにオリエンテーションも履修登録も終わっていますので、明日からは、さっそく大学の講義開始です。

本日の入学式の学長式辞を以下に掲載いたします。

桜のつぼみもほころび、待ちに待った春がやってきました。これからは、さまざまな木々が芽吹き、花が咲き、野山はどんどんカラフルになっていきます。豊かな自然に恵まれた村上では、とりわけ鮮やかな色が目に映り、心が躍ります。休んでいた生物も一斉に活動をはじめるこの季節は、新しい環境で夢の実現を目指す新入生を迎えるのにふさわしいといえましょう。

本日ここに、ご来賓ならびに関係各位のご臨席を賜り、平成28年度新潟リハビリテーション大学および新潟看護医療専門学校村上校の入学式を挙行できますことは、教職員一同、大きな喜びであります。

すべての新入生の皆さん、入学おめでとうございます。私たち教職員一同、心より歓迎いたします。また、これまで新入生の皆さんを温かく見守り、支援をして来られたご家族・保護者の方々にも心からお祝いを申し上げます。同時に、本日、ご列席をいただきましたご来賓をはじめ、多くの方々に深く御礼を申し上げます。

ここからは、大学に入学された皆さんにお話しをいたします。皆さんは、これまで励んできた努力が実を結び、新たな道を歩み始めます。喜びと期待感でいっぱいだと思います。

また、最高学府である大学院に入学された皆さんも、決意を新たにされていることと思います。新入生の皆さんには、今の新鮮な気持ちを決して忘れることなく、それぞれの学びや研究に励んでいただきたいと思います。

本学は、「人の心の杖であれ」を理念として掲げています。この理念に基づき、患者さまや支援を必要とする方々だけでなく、そのご家族や関係者なども含めたすべての人たちの心に寄り添うことができるセラピストや心理職の育成を行い、教育や研究を通じて社会に貢献することを目的としています。したがって、本学が重視している教育の基本は、専門を深く極めることはもちろんですが、広い視野と優しい心遣いをもって、ものごとを総合的に判断し、背景にあるさまざまな課題までも見いだして解決していくことのできる人材を育成することであります。このために、本学の教職員は一体となって、学生ひとりひとりに丁寧な教育を行うよう日々努力を重ねてまいります。

これまでの皆さんの多くは、与えられた課題を解いていく学びが中心だったと思いますが、大学では自ら課題を求め、それに対してさまざまな角度から向き合い、解決策を探して実行していく能動的な学修法、すなわち、アクティブラーニングの姿勢が求められます。本学では、今年度から新たに、アクティブラーニングを有効に実施できるエリアを整備し、皆さんの入学とともに運用を開始していきます。それから、学修支援や生活支援、学修相談や心身の相談といった、さまざまな機能をもつ学習センターも、新たに立ち上げ、運用していきます。どうぞ、有効に活用してください。

そして、大学では是非、同じ専攻や同じ学年に限らず、広く同級生や先輩たちと交わり、自分の視野や可能性を広げる努力をしてください。今年度、新しく設けたリハビリテーション心理学専攻には、人生経験豊かな方々も入学されています。さまざまな年代の方々とも、大いに交流を深めていただきたいと思います。また、これからの大学生活では、勉学ばかりでなく、サークル活動やボランティアなどの課外活動にも積極的に参加して、協調性やリーダーシップを身につけ、そこでも、多くの友人を得てください。本学には、課外活動等に積極的に取り組んだ学生を表彰する制度もあります。

さて、現在とは全く様相を異にするであろう未来社会を支えていくこととなる新入生の皆さまには、答えのない問題に取り組み、新たな世界を切り拓いていく力を身につけることが求められます。新たな世界を切り拓くためには、先輩たちの歩んできた道をたどり、それを教訓として現在の課題を克服する努力や創造力が必要です。新しい発想は、さまざまな人の考えや体験を吸収した上に生まれます。その過程において、自分の考えに行き詰まったり、つらいことがあったりしても、それを明るく乗り越えられるような精神力が必要です。

つまずいた時には、「できない理由を探すのではなく、どうしたらできるか」という考え方に頭を切り替えることです。2014年にノーベル物理学賞を受賞された中村修二博士も、その著書の中で、人生で一番大切なキーワードとして、「できない理由を探すな」を挙げていらっしゃいます。そして「自分を信じて突き進む勇気さえあれば、成功は現実のものとなる」とも述べられています。自らの枠を決めてしまうと、それ以上は自分の能力を発揮できなくなってしまいます。そうならないよう、少し高い目標を設定して、それを達成するために、自分にできる全ての努力をそこに集中することです。

医療や福祉の現場、あるいは、広く社会においては、場面、場面で、全てが違います。協力してくれる人や教えてくれる人がいない、適当な器具や機械がないなどは、できない理由になりません。私たちは与えられた条件のもとでやるしかないのです。

「大学や大学の周りには何もない」と言っていた学生たちも、工夫を凝らして勉学に励み、また、この地域の文化や自然の豊かさに目を見張り、創造力を豊かに活用して地域社会にも溶け込んでいきます。そして、志を同じくする多くの友人を得て、充実した大学生活を楽しんでいます。

大学生時代は、人生の中でもかけがえのない大切な時期です。皆さん一人ひとりが、さまざまなことに目を向け、実り多い大学生活を送られることを心から祈り、私からの歓迎の言葉とさせていただきます。

平成28年4月6日 

新潟リハビリテーション大学長 山村千絵