新潟リハビリテーション大学
 
令和3年度入学式を挙行いたしました

令和3年度入学式を挙行いたしました

4月7日、令和3年度入学式を学内の大講義室で挙行いたしました。村上市内でも新型コロナウイルス感染者が増加しつつあるなか、感染対策を行いつつ短時間で実施いたしました。昨年度中止とした「新入生宣誓」は復活させました(写真3枚目)。青空のもと、構内の桜もちょうど満開となり、新入生たちを歓迎してくれています(写真4枚目)。以下に、式辞を掲載いたします。

 

暖かな春の陽射しに、満開となった桜も、皆さんの新しい門出を祝福しています。

医療学部並びに大学院リハビリテーション研究科に入学された皆さん、ご入学誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。皆さんは大学進学に向けて、あるいは、大学院進学に向けて一生懸命に取り組まれてきたことと思います。その努力に対して敬意を表すると共に、暖かい愛情を持って皆さんを支えてこられたご家族の方々をはじめ、関係するすべての皆様に心よりお祝い申し上げます。

今、社会は、コロナ禍という大きな困難を乗り越えるために、さまざまな分野において、新たな様態が生まれ、新たな価値が創造されようとしています。

世界中で、同じ問題意識が醸成され、多くの課題に対する解決策を模索しながら、新しい社会を構築していこうとしています。デジタル化やグローバル化とともに、新しい変化が加わったとも言えます。広く新しい視野や視点を有する者が、この変化に正しい方向性を与えることが期待されています。

自らの行動が他者や社会にどのような影響を与えるかを常に考え、思いやりを忘れずに行動することが何より重要です。この困難と向かいあう経験は、この先の皆さんの人生にとってかけがえのない財産となり、学びの機会となると確信しています。そして、皆さんの本学における学びが、他者の心の杖となって寄り添う精神を備え、多様な分野で社会を導くリーダーの資質を育むものとなることを期待しています。

さて、本学は、平成7年からの専門学校におけるリハビリテーション教育を礎に、平成19年に、大学院だけを持つ、新潟リハビリテーション大学院大学として開学いたしました。そののち、平成22年に医療学部を増設して現在の大学の姿になりました。本学園における、リハビリテーション教育に関していえば、県内でも屈指の歴史と伝統があります。

そして、本学の位置する村上市は、豊かな自然と、長い歴史とともに受け継がれてきた 伝統と文化を兼ね備えた、情趣ある資源に満ち溢れています。

本学は村上市をはじめ、近隣の関川村や粟島浦村と、また産業界とは地元の岩船商工業会様と包括連携協定を締結しています。協定に基づいて、本学がこれまで積み上げてきた保健、医療をはじめとする様々な分野における活動実績を相互協力へと発展させ、地域に必要とされる大学であり続けるよう、さらなる努力を重ねています。

学生教育においても、地域の自然環境や地場産業、温かい人々とのふれあいなどを活用させていただきながら、地域の課題解決に取り組み、地域の活性化に向けた活動を進めています。

皆さんがこれから向かっていく社会は、少子高齢化や人口減少がいっそう進み、一方で、人工知能、ロボット、再生医療など新たな科学技術が進展し、私たちの生活環境や就業形態が、大きく変化していくことが予想されています。

人と人との物理的距離が必要な今でも、心の距離はむしろ縮めて、お互いに真摯に向き合うことが大切です。

特に、皆さんが選んだ道は、人の心を読み取り共感し、優しく温かい心を通わすことが求められます。そして、ロボットや人工知能にはない、しなやかな心を持つ人でないと目的を達成することができない大切な分野です。

本学では、知識や技術だけではない、細やかな心遣いで、患者さまやご家族をはじめ周囲の方々をしっかりと支えていけるような、人材を育成しています。

本学が重視している教育の基本は、専門を深く極めることはもちろんですが、「人の心の杖であれ」の精神のもと、広い視野と優しい心遣いをもって、ものごとを総合的に判断し、背景にあるさまざまな課題までも見いだして解決していき、それぞれの分野で大きく貢献することのできる人材を育成することです。

このために、本学の教職員は一体となって、学生ひとりひとりに丁寧な教育を行い、ともに新しい時代を切り拓いていくべく、日々努力を重ねています。

大学での学びは、受け身の姿勢で知識を蓄積させるだけでは意味をなしません。自ら主体的・積極的に学ぶ姿勢を示し、知識や技術を用いて、いかに新しい考えを生み出したり発見したりするかが重要です。自分が学びたいと思うことを、自ら学んでいくことこそが、大学での学びの姿勢となります。

そして、大学では是非、同じ専攻や同じ学年に限らず、広く同級生や先輩たちと繋がって、自分の視野や可能性を広げる努力をしてください。かけがえのない仲間は、大学での学びを支える大きな役目を果たしてくれるはずです。自分の夢や目標がわからなくなったとき、迷ったとき、仲間たちはきっと、素晴らしいアドバイスをくれ、導いてくれることでしょう。

また、学内には、皆さんの学修支援や生活支援、心身の相談といった、さまざまな機能をもつ学習センターやキャリア支援センターのほか、保健室、クリニックなどを整備しています。もちろん、教職員一人一人がいつでも真摯に相談・対応いたします。どうぞ、学内の施設や人的資源を有効に活用してください。

皆さんにとって、コロナ禍の厳しい状況で始まった学生生活ですが、世界が見えない敵と闘っているこういう時だからこそ、一人ひとりがどのように行動したら良いのか、よく考えてから行動するようにしてください。また、人は一人では生きられない、支えあって生きている、そして人の心の杖であり続けることが大切だということを忘れずに、これからの人生を送っていただきたいと思います。

最後になりましたが、村上の自然豊かな環境の中で、皆さん一人ひとりが、さまざまなことに目を向け、実り多い大学生活を送られることを心から祈り、私からのお祝いと歓迎の言葉とさせていただきます。

ご入学誠におめでとうございます。

令和3年4月7日 新潟リハビリテーション大学長 山村千絵