11月10日(火)今年度第1回目となる学術委員会主催『特別講演会』を開催しました。講師は新潟リハビリテーション病院副主任 理学療法士の岡邨 直人(オカムラ ナオト)先生。演題は『新潟県における野球肘予防の現状~新潟県から全国への提言“球数制限”~』でした。
今回はスポーツの中でも野球、特に【野球肘】についてお話ししていただきました。岡邨先生は現在プレイヤーとして、保護者として、指導者として、また理学療法士として多方面から野球に係わっていらっしゃいます。まず、どんなスポーツにおいても絶対起きてはいけない事は「生命の危機」と「これからの人生に影響する後遺症を残すこと」であるとおっしゃっていました。先生は特に【成長期野球肘予防】の啓発に尽力されています。全力投球の球数制限によりオーバーユースによる故障を回避し、また【野球肘検診】により野球少年の最悪の後遺症である【野球肘】の早期発見に努めてこられました。新潟市では2006年度から【野球肘】の早期発見と障害予防啓発を目的に【野球肘検診】が開始され、2019年までに延17,144名の検診を行ってきました。検診の継続により、これまで多くの野球少年を【野球肘】の悪夢から救ってこられました。
指導に対して医療から提案する基本コンセプトとして以下の3つの事をお話されました。
①技術の向上を促し能力向上による楽しさを経験させる指導。
②スポーツ障害の発生予防に意を尽くす指導。
③才能の発掘・育成に留意する指導。
『全ては子供達の笑顔のために』無知・無関心であってはいけないとのことでした。
講演後、本学の学生たちから岡邨先生にいくつか質問をさせていただきました。
未来のPT(理学療法士)から先輩PT(理学療法士)への質問です。
その中に「将来のために今やっておくべきことはありますか?」という質問がありました。答えは「将来の夢を叶えるには、強い意志を持ち続ける事!そして多くの人と関わり、たくさんコミュニケーションをとる事!」という事でした。
学術委員会ではコロナ禍でどう講演会を成功させるか、幾度も検討しました。当日は岡邨先生の勤務先の病院からリモートで講演していただき、大学内の会場で受講する学生や教職員、そして自宅等からTeamsによりリモートで受講する学生や教職員という形で開催しました。トラブルが起きないか心配されましたが、大きなトラブルはなく大成功で終わることが出来ました。コロナは本当に困った『禍』ですが、今まで当たり前だったこととは別の事を気づかせてくれることもあると感じました。岡邨先生、不慣れな為不手際も多く大変失礼いたしました。そして貴重なお話を本当にありがとうございました。
学術委員会 大滝陽子