学校法人北都健勝学園設置の学長選考協議会を経て、本日(令和5年12月21日)の本学園理事会において、学長の再任(4期目)が決定され、理事長より次期学長を任命されました。任期は令和6年4月1日から令和9年3月31日までの3年間です。
10年前に前任の野田学長から引き継ぎさせていただいてから、このたびの再任で4期目、10年目に入ります。すでに、新潟県内で現在就任されている学長の中では、もっとも長い在任期間となっていますが、記録を更新することになります。
これまでを振り返ってみますと、私が学長に就任して以来、当地は様々な自然災害に見舞われてきました。令和元年6月18日に発生した山形県沖地震、令和4年8月3日からの大雨、そして、令和2年1月からいまだ収束を見ない新型コロナウイルス感染症など、危機管理が大きく問われる事象が複数発生しました。しかし、ひとりの人命を失うこともなく、大きな被害もなく今日を迎えることが出来ています。
そのほか、うれしい出来事としては、令和2年に受審した、大学基準協会による外部認証評価において、多くの項目で良い評価をいただくことが出来たことがあげられます。地方自治体や高等学校等ともたくさんの連携協定を締結することができました。村上市、関川村、粟島浦村、いわふね商工業会、そして新発田中央高校、村上桜ヶ丘高校、鶴岡東高校、羽黒高校です。新校舎F棟も完成し学生や地域の方々にも活用されています。
何をするにも、財源がないとできませんので、特別補助金の獲得にも力を入れてきました。「私立大学等改革総合支援事業タイプ 1 (教育の質的転換)やタイプ 2(地域発展)」にも、連続して選定されてきたほか、私立大学戦略的研究基盤形成支援事業により転倒予防教室と食べる力をつける教室の充実発展のため、様々な研究機器を揃えることができました。私立大学等経営強化集中支援事業でも、複数年にわたって大きな運営資金を得ることができました。数理データサイエンスAI教育リテラシーレベル認定校にもなることができました。
これらはすべて、多くの方々にご協力をいただきました。改めて感謝申し上げます。
今後の大学運営の目標です。
これまで、学生第一、学生の立場になって考える大学運営を行ってきたつもりですが、これまでのような、教職員が考える学生の立場、すなわち教職員主導の学修者本位ではなく、これからは一歩進んで、学生自身が考える、学生が真に主役となる、学生目線の学修者本位の大学運営にしていきたいと考えています。今後の生き残りをかけた本学の強みとして「学修成果を可視化し、それに学生の生の声を加えて、学生目線の教育改善を行っていくこと、そして、学生の成長意欲を伸ばし、学生が成長していく様子や成長した成果」を掲げていきます。中教審の答申「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」においても、学修者本位の教育へ転換をはかっていくべきことが強く謳われています。
繰り返しになりますが、学生が自身の成長を意識して学ぶことのできる大学づくりを大きな目標としたいと思います。幸いなことに、昨年度の全国学生調査の結果を見ると、本学学生のうち、入学後に成長したという実感を持っている者の割合は全国平均よりも高い値となっていました。このことは、過去の学長ブログにも掲載して発信しています。
学修成果の可視化、学生の成長実感、そして教員主導ではなく学生目線の運営を最重要テーマとして、今後も様々な部署の協力を仰ぎながら運営してまいります。
そして高等教育を取り巻く環境は目まぐるしいスピードで変化をしています。国の方針も相次いで変わっているため、新しい規則等を確認しつつ、それらに追いついて学内体制を整えていかなくてはなりません。大学設置基準のほか、各種の法律も変わりました。コロナを契機にオンライン・オンデマンドの授業や会議が日常的になり、チャットGPTをはじめとする生成系AIの普及に伴う対策も継続的に更新が必要になっています。いわゆる障害者差別解消法、合理的配慮についても私立大学は次年度から義務化されますが、本学は平成28年に努力義務となった時代から体制を整えてきました。
今後も多くのことに迅速的確に対応していかなければならない時代です。本学園の教職員やステークホルダーの皆さん方にさらなる協力を仰ぎながら、一致団結してこれからもさまざまな試練を乗り越えていかなければなりません。
以上、長くなりましたが、今後ともよろしくお願い申し上げます。
令和5年12月21日 山村千絵