私は本学に着任する前は、歯学部の口腔生理学講座に所属し、学生教育や基礎研究を行っていました。学生の生理学実習では、動物を使った実験やヒトを対象とする実習など、いろいろな項目を指導してきました。
本学で開講している生理学実習は、全専攻2年生(必修)を対象としています。多人数で同じ項目の実習を一斉に行うのは教育効果が低くなるため、7班に分けて各班に1~2名の教員が指導にあたり、7つの実習項目についてローテーションを組んで行っています。班分けは専攻に関係なく混合編制です。3年生以降は専門科目が多くなり、専攻内での狭い交友関係になりがちなため、1~2年生のうちに、専攻分け隔てなく広く交流して欲しいという意図があります。
今日が今年度最初の実習日でした。私の担当は心電図の測定と解析です。学生同士で記録をする実習ですので、電極は手足にしかつけません。学生たちは、(ほとんどが)はじめて見る自分自身の心電図波形にワクワクしたり、不思議な気持ちになったりするようです。正常な心電図でも、教科書に記載されているような典型的な波形だけでなく、さまざまなバリエーションがあることを体得してもらうことが、ねらいのひとつです。また、解析も心電計が自動で行ってくれる時代ではありますが、あえて手計算を行わせることで知識の定着を図っています。
写真は他の教員が担当した実習項目「カエルの神経筋」で使用した標本です。スス紙を使って、腓腹筋(ふくらはぎの筋)収縮の様子を観察記録・考察する実習です。古典的な方法ではありますが、生理学初学者にとっては、わかりやすくインパクトのある方法でもあるのです。