新潟リハビリテーション大学
 
秋卒業式(9月28日)

秋卒業式(9月28日)

9月28日、本学D棟において、2021年度秋卒業式を挙行いたしました。医療学部卒業生2名が、社会へ新しい第一歩を踏み出しました。

本学では、2017年度から秋卒業制度を設けています。本学の「秋卒業に関する規程」に基づき、当該年度の前期において、学則に規定する卒業要件を満たすことが見込まれる学生で秋卒業を希望する者は、審査により秋卒業が認められます。

式では、一人ずつ卒業証書・学位記の授与を行った後、学長告辞、記念撮影をいたしました。学長告辞では、以下の通り、激励とはなむけの言葉を贈りました。

 

朝夕の涼しい風とともに、秋の深まりが感じられる季節になりました。本日ここに学位記を受け取られた皆さん、ご卒業おめでとうございます。教職員を代表して、心よりお祝いを申し上げます。皆さんをこれまで励まし、支えてくださったご家族の方々にも、お祝いと感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。

今、学位記を手にされた皆さんは、仲間と共に過ごした楽しかった日々、あるいは、卒業に至るまでの苦労の日々など、さまざまな場面に思いを巡らせていることでしょう。

とりわけ皆さんは、学生生活の後半において、新型コロナウィルスのパンデミックの影響を受け、想定外の不自由を余儀なくされました。そうした厳しい状況においても、勉学に励み、今日の日を迎えられたことは、皆さんの向上心の賜物であり、その努力に改めて敬意を表します。

我慢や制約のある日々は、まだしばらく続くことと思います。しかし、裏を返せば、新たな環境に応じた変化をもたらすチャンスの時期であるとも捉えることができます。本学で培った知識や技術を武器に、皆さんが新しい社会の在り方を構築してゆく原動力となることを期待しています。

皆さんが、これから進んでいく新しい道には、様々な可能性が広がっています。本学の卒業生としての自覚と自信を持って挑戦を忘れることなく、今後の人生を有意義に過ごしてください。

これからの社会は、少子高齢化や人口減少がいっそう進み、人工知能、ロボット、など新たな科学技術が進展し、私たちの生活環境や就業形態が、さらに大きく変化していくことが予想されています。いわゆる、Society 5.0と呼ばれる超スマート社会では、ICT機器が人や物をつなぎ、人工知能やロボットが多くの仕事を代替するようになります。

しかし、そのような社会こそ、人と人とが直接、真摯に向き合うことが大切になります。皆さんがこれから目指す世界でも、人の心を読み取り共感し、優しく温かい心を通わすことは必須であり、そのような業務は、いつまでも世の中から必要とされます。皆さんが選んだ道は、まさしく、人工知能やロボットではなく、人でないと目的を達成することができない大切な道です。

本学園では、創設以来「人の心の杖であれ」を理念に掲げ、知識や技術だけではない、細やかな心遣いで、患者さまやご家族をはじめ周囲の方々をしっかりと支えていけるような、人材を育成してきました。これまで皆さんが培ってきた知識、技術、そして優しさや思いやりをさらに成長させ、どんな場面でも決して諦めないで挑戦を続けていく強い心を養うと共に、崇高な倫理観を今後も育んでいってください。

新しい生活様式、新しい学びなど、社会はあらゆる面から新しく生まれ変わろうとしています。新しい社会では、誰ひとりとして取り残されることのないよう、共生社会の構築が期待されます。皆さんには、その牽引役を果たしていただきたいと思います。困難な状況下にあっても、偏見や差別をせず、常に他者に対してあたたかい手を差し伸べられる人、それは、まさに本学の教育理念である、「人の心の杖であれ」を具現化することにほかなりません。

最後になりましたが、皆さんには、正しい情報を根拠に原点に立ち返って判断し、適切な行動をとるように心がけてください。さらには、人と人とが、支え合って生きていくことの大切さを、このような時代だからこそ、なおさら胸に刻んでこれからの人生を歩んでいってください。皆さんの可能性は、今日の卒業を機に、さらに大きく広がっていきます。これからも広く、深く学び続けることで、未来を切り拓いていき、大きく飛躍して多方面で活躍されることを心より祈念し、私の告辞といたします。

本日は卒業おめでとうございます。

令和3年9月28日    新潟リハビリテーション大学長 山村 千絵