新潟リハビリテーション大学
 
メディケアフーズ展2016

メディケアフーズ展2016

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27日(水)、東京ビッグサイトで開催された「高齢者食・介護食の専門展示会&セミナー メディケアフーズ展2016」に行ってきました(写真)。

各業者が競って最新の介護食を展示し、試食の場も設けられている同会に、私は数年前から毎年参加しています。開発業者の方に直接、お話を伺ったり、興味あるセミナーを聴講したりして、より深い内容を知ることもできます。国内最大規模という同会は、介護食業界の現状を目と舌で、いち早く知ることのできる絶好の機会なのです。

私が特に気になったのは、数年前から着目している「凍結含浸法」という食材を軟らかくする手法を取り入れた商品開発のその後の進展です。凍結含浸法では、食材をいったん凍結させ組織を破壊して、その中に酵素を浸入させて軟らかくするという手法をとっています。食材の形はきちんとあり、試食してみると、ものすごく軟らかく、根菜類でも口に入れるとすぐに溶けてなくなります。少し軟らかすぎるかな?というくらいであり、実際に開発者である広島県立総合技術研究所の研究員の方からは、「軟らかすぎて製品輸送時に形が崩れてしまうことがある」というような話も聞きました。そのため、形の崩れを解消すべくパッケージに工夫を凝らし、近い将来、新しいパッケージでの販売を予定しているとのお話も伺い、その試作品もいただきました。

年々、普通食に近い、形がはっきりとし色も鮮やかな介護食の製品が増えてきているように感じますが、今年は、その傾向が一段と進んだように見えました。私が今研究中の肉類も多数展示されていましたが、私が目指している「適度にやわらかく食べやすくおいしい、私が理想とする肉(特に鶏肉)」には、出会うことができませんでした。そして、食材を軟らかくする手法としては、ソフトスチームのような物理的手法よりも、酵素などを使用する化学的手法が多く用いられていると感じました。

介護食について、本会での目的を達成したあとは、隣で開催されていた「高齢者生活支援サービス展」と「統合医療展」も少しのぞいてきました。帰りは、資料と試供品で手提げカバンが重くなりました。