令和7年4月4日午前、本学の国際教育研究棟において、令和7年度入学式(学部・大学院合同)を執り行いました(式典会場写真)。新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。
学部新入生の皆さんは、すでに3日間のオリエンテーションを済ませ、グループに分かれての村上市内散策や学生会交流イベントも終わっていることもあり、新しい友達との会話が弾んでいる様子も見られました。今後の成長が楽しみです。
大学院新入生の皆さんは、同日午後からオリエンテーションがあり、より高度で専門的な学びや研究の開始に希望を抱いている様子でした。
以下に、入学式の学長式辞を掲載いたします。
新潟リハビリテーション大学医療学部並びに大学院リハビリテーション研究科に入学された皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。新入生のご家族の皆様のお慶びもひとしおと思います。教職員を代表して心からお祝い申し上げます。
ここ数日は寒暖差が大きな日が続き、季節に不似合いな寒い日もありました。そんな中、本学校庭の桜の蕾も膨らみ始めました。来週から始まる皆さんの新しい大学生活・大学院生活は、桜満開の中で迎えることができると思います。
さて、振り返ってみれば、皆さんが高校や大学に入学されてからしばらくの間は、まだ、世界中が感染症の惨禍に見舞われていて、我が国でも多くの社会活動が制約されていた時期でありました。そのため、皆さんの多くは、高校生活や大学生活の新たなはじまりに際し、不安を抱えながら過ごされてきたことと思います。その後、感染禍は落ち着き、皆さんも大学や大学院進学に向けて、一生懸命に取り組まれ、本日、こうして本学の入学式を迎えることができました。
苦難に負けずに歩み続けてこられた、さまざまな努力に対して敬意を表すると共に、暖かい愛情を持って皆さんを励まし、支えてこられた、ご家族の方々をはじめ、関係するすべての皆様に、改めてお祝い申し上げます。
これから始まる新しい学生生活に対しても、期待や希望とともに不安もあると思いますが、皆さんがこれまでに培ってきた力に加え、これから本学で様々な力を身につけていただき、有意義な学生生活を送っていただきたいと思います。そのために、私たち教職員一同でお力添えいたします。
本学は大学院大学として大学院教育を開始してから今年度で19年目、大学学部としての教育を開始してから16年目を迎え、さらに歴史を遡り、前身の専門学校時代から数えると開学31年目となります。新潟県内でもリハビリテーション教育に関しては、屈指の歴史と伝統があり、着実に人材育成の実績を積み重ねてきています。皆さんの先輩たちは全国各地で活躍しています。
そして、数々の歴史を刻んできた校舎に加え、令和4年3月に、今、皆さんがいる国際教育研究棟を竣工いたしました。この校舎の1階のスペースは、アクティブラーニングエリアとアクティブプラクティスエリアになります。多様な学修スタイルに応じて、時代に即した学修や研究ができる場所としています。
アクティブラーニングとは、仲間と話し合い、教員や他者の意見を参考にしながら、自ら能動的に学修し課題を解決していく学びです。自分が学びたいと思うことを、自ら学んでいくことこそが、大学での学びの姿勢となります。こういった学びを通じて、教養や人間性を高めていってください。
本学では、そのほか、数理データサイエンスの分野も重視して教育を行っています。アクティブラーニングなどによって、データを収集したのち、それらを数理的手法によって解析し、解決策を見出していく一連の過程をデータサイエンスと言います。本学では学部1年生全員に数理データサイエンス科目を提供しています。文部科学省から、数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)の認定も受けています。これからの時代、どの分野に進んだとしても、データサイエンスを活用できる人材が強く求められていきますので、皆さんも、きっと、将来、本学で学んだことが活かされると思います。
大学は、一人一人のさまざまな可能性が多様につながり、育っていく場でもあります。感染禍を経て、情報通信技術も急激に進歩しました。ウェブ授業の展開によって、キャンパスに来なくとも学べる体制が確立されました。本学においても悪天候などで通学に困難をきたすような時をはじめ、効果的な場面で引き続きウェブ授業を活用していきます。
一方で、リアルなキャンパスの価値も改めて実感しています。キャンパスは、出会いと対話が生まれる場です。多様な能力と可能性が繋がれ、伸びていく場となるよう、皆さんとともに考え、工夫していきたいと思います。リアルな場面においては、自らの行動が他者や社会にどのような影響を与えるかを常に考え、思いやりを忘れずに行動することが何より大切です。皆さんの本学における学びが、他者の心の杖となって寄り添う精神を備え、多様な分野で社会を導くリーダーの資質を育むものとなることを期待しています。
さて、感染禍を経て、私たちは、生命や生活、価値観や行動など、広範かつ多面的な影響を受けました。まさに予測困難な時代となり、答えのない問題にどう取り組んでいくかという課題が私たちに提起され続けています。
課題解決のために、一人一人の多様な幸せの実現はもちろん、社会全体の幸せの実現を目指すことも大切です。そのためには、一人一人が自分の身近なことから他者のことや社会の様々な問題に至るまで関心を寄せ、社会を構成する当事者として、自ら主体的に考え、責任ある行動をとることができるようになることが大切です。
昨年の元日には能登半島地震が発生しました。自然災害が多発していますが、災害からの教訓としても、人と人との繋がりの大切さ、助け合いの重要性を、皆さんも実感されたことと思います。そして、それらの経験も含め、安全・安心な社会の実現への貢献が、大学の大きな使命の一つとしても浮かび上がってきています。
本学でも防災・減災への取り組みを進めています。学部1年生を対象に村上市の防災専門員による防災教育を行っています。災害時には、学生たちが、被災地域や避難所等で、自主的な支援活動を行ってくれ、多方面から感謝のお言葉をいただいています。皆さんが今いるこの場所は、村上市の指定緊急避難場所となっています。近隣からの緊急避難者の受け入れも行います。飲料の自販機も災害対応のものになっています。
本学は村上市をはじめ、近隣の関川村や粟島浦村と、また産業界とは地元の岩船商工業会やNPO法人総合型地域スポーツクラブ希楽々、さらに、新潟県児童養護施設協議会と包括連携協定を締結しています。協定に基づいて、本学がこれまで積み上げてきた保健、医療をはじめとする様々な分野における活動実績を相互協力へと発展させ、地域に必要とされる大学であり続けるよう、努力を重ねています。
学生教育においても、地域の自然環境や地場産業、温かい人々とのふれあいなどを活用させていただきながら、地域の活性化に向けた活動を進めています。
ところで、皆さんがこれから向かっていく社会は、少子高齢化や人口減少がいっそう進み、一方で、人工知能、ロボット、再生医療など新たな科学技術が進展し、私たちの生活環境や就業形態が、大きく変化していくことが予想されています。そのような中、皆さんが選んだ道は、人の心を読み取り共感し、優しく温かい心を通わすことが求められます。そして、ロボットや人工知能にはない、しなやかな心を持つ人でないと目的を達成することができない大切な分野です。
本学では、知識や技術だけではない、細やかな心遣いで、患者さまやご家族をはじめ周囲の方々をしっかりと支えていけるような、人材を育成しています。本学が重視している教育の基本は、専門を深く極めることはもちろんですが、「人の心の杖であれ」の精神のもと、広い視野と優しい心遣いをもって、ものごとを総合的に判断し、背景にあるさまざまな課題までも見いだして解決していき、それぞれの分野で大きく貢献することのできる人材を育成することです。このために、本学の教職員は一体となって、学生一人一人に丁寧な教育を行い、ともに新しい時代を切り拓いていくべく、日々努力を重ねています。
教育目標として掲げている養成する人材像は、より時代にマッチしたものになるよう、今年度に次のようにリニューアルいたしました。すなわち、1,崇高な倫理観と医療従事者としての使命感を常に有し、主体的に行動できる人材の育成 2,豊かな人間性と広い見識・教養・技術を有し、地域社会に貢献できる人材の育成 3,多様な者と協働し、専門性を発揮しながら国際社会に貢献できる人材の育成としました。
急激な少子化が進んでいく中、特に地方の小規模私立大学には厳しい時代となっていますが、本学は、チャレンジして難局を乗り越えていく道を選択し、令和6年度に「少子化時代をキラリと光る教育力で乗り越える、私立大学等戦略的経営改革支援事業」という文部科学省の補助金事業に申請し、全国45大学のうちの1校として選定されました。これにより、今後、5年間は国の支援を受けられることになりました。今年度から、柔軟な転専攻制度をはじめとした様々な教育改革を行っていき、皆さんの卒業時には、大きな成長実感が得られるような教育を進めてまいります。
皆さんにおかれましても、是非、同じ専攻や同じ学年に限らず、広く同級生や先輩たちと繋がって、自分の視野や可能性を広げる努力をしてください。かけがえのない仲間は、大学での学びを支える大きな役目を果たしてくれるはずです。自分の夢や目標がわからなくなったとき、迷ったとき、仲間たちはきっと、素晴らしいアドバイスをくれ、導いてくれることでしょう。
また、学内には、皆さんの学修や生活の支援、心身の相談といった、さまざまな機能をもつ学習センターやキャリア支援センターのほか、保健室、クリニックなどを整備しています。もちろん、教職員一人一人がいつでも真摯に相談・対応いたします。どうぞ、学内の施設や人的資源を有効に活用してください。
最後になりましたが、村上の自然豊かな環境の中で、皆さんが、さまざまなことに目を向け、実り多い大学生活を送られることを心から祈り、私からのお祝いと歓迎の言葉とさせていただきます。ご入学誠におめでとうございます。
令和7年4月4日 新潟リハビリテーション大学長 山村千絵