新潟リハビリテーション大学
 
学位授与機構による学士の学位授与審査合格者~言語聴覚士国家試験受験~

学位授与機構による学士の学位授与審査合格者~言語聴覚士国家試験受験~

本学大学院修士課程の昨年度修了生Sさんと今年度修了予定生Rさん(留学生)の2名が、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構(https://www.niad.ac.jp/)による令和4年度10月期の学士の学位授与審査に合格し、このたび、学士(保健衛生学)の学位が授与されました。

大学改革支援・学位授与機構は、大学以外の機関で学位を授与することのできる唯一の機関です。短大などの高等教育機関において一定の学習を修め、その「まとまりのある学修」の成果をもとに、さらに大学等で所定の単位を積み上げ,かつ機構が行う審査(論文形式のレポート提出、小論文試験等)の結果、大学卒業者と同等以上の学力を有すると認められた者には、同機構より学士の学位が授与されます。

冒頭の2人は、言語聴覚士を目指しており、国家試験受験資格を得るために「学士」を取得したのでした。

昨年度までの言語聴覚士法施行規則では、大学院修了者でも、大学院入学前の経歴として「日本の4年制大学学部卒がないと言語聴覚士国家試験受験資格は認められない」という解釈になっておりました(言語聴覚士は、理学療法士や作業療法士とは違って、養成校経由でなくとも、国が指定した科目を履修することにより、国家試験受験資格が得られるルートがあり、本学大学院で学んだことによる受験資格は、そのルートをとることになります。大学院経由で受験資格を得たい場合は、他学でも同じく、このルートのみになります)。

しかし、現在、大学院修士課程には、4年制大学卒以外の様々な経歴を持つ者が入学できることになっています(例:大学院において個別の入学資格審査により認めた22歳以上の者(学校教育法施行規則第155条第1項第8号))。入学(出願)資格審査により4年制大学卒と同等とみなせる場合は、大学院の入学試験への出願が認められ、入学試験に合格すれば大学院に入学することができるのです。冒頭で述べたSさんも本学大学院入学前の経歴としては「短大卒+国立大学大学院修了、医療系国家資格所有者」でありましたが、途中に4年制大学卒の経歴のみがありませんでした。

言語聴覚士国家試験受験資格において、上述したような経歴の方々を排除するような規則が設けられていることは不公平であると考え、私は昨年度から、厚労省と電話やメール、オンライン会議などで、根気強く交渉してきました。

その甲斐があってか、2022年8月30日に言語聴覚士法施行規則が改正されました。日本の4年制大学学部卒という経歴がなくとも、学士を取得(見込み含む)していれば、国家試験受験資格が認められることになりました(言語聴覚士法施行規則第16条第2項)。そのため、冒頭の2人は学位授与機構による学士の学位審査にチャレンジしたのでした。そして、2人とも見事、合格しました!

2人は、2月18日に言語聴覚士国家試験(東京)を受験しております。