大澤先生コラム【11月】

 

 

「地球温暖化で病気も変わってくる」    大澤源吾 (Oct,18,2019)

 

 

 

この国のあちこち、広範囲に大規模な洪水と土砂災害をひきおこした

台風19号は沢山の死者を出しながら、1週間以上を経ても復旧を拒み続けている。

被災された高齢の方々も「こんなに大きな氾濫を経験したことがない」と

口々に叫んでおられたのが印象的であった。

やはり地球温暖化が進行していることが原因の1つだろうか。

 

9月下旬に国際連邦で開かれた「気候行動サミット」では

ドイツのメルケル首相が今世紀半ばまでにCO2排出量を実質ゼロとする目標を表明したが、

他の多くの大国はそれぞれ自国の国内事情を優先させ積極的な表明はなかった模様である。

そんな中で、スウェーデンの16才の少女が若者の代表となって

おとながもっと真剣に地球温暖化対策に取り組んで欲しいと怒りをあらわに抗議している姿が注目された。

 

狭い医学の面でも、地球温暖化現象を基盤とした、しかしそれ以外の共存する原因がよく分からない、進行性の、死亡率の高い病気が知られる時代になってきた。

はじめ中南米に、類似の病態が北米にも南米にも、さらに中東や、インド、アフリカでもみられるという  (NEJM,393,693,2019)

 

リハビリ医療を学習する若い諸君よ!

地球温暖化現象の抑止に向けてこれからも努力して欲しいのだが、

それでも前代未聞と呼ばれる異常事態はこれからも姿を遷えながら繰り返されるに違いない。

君達のリハビリ医療の学習も既存の形の踏襲だけであってはなるまい。

変遷する病態に対して新しい眼でリハビリ医療を改変し直す努力が必ず、要求されるであろうから。