図書館長ブログ 「館長オススメの一冊」

館長オススメの一冊

『脳が壊れた』(鈴木大介著,新潮新書,760円+税, 2016)

 

この本は初版から既に1年が経過していますが,本学図書館の蔵書に含まれていませんでした.全くもって反省しきりです.

41歳で脳梗塞に倒れた著者が,社会復帰に向けた闘病生活の中の様々な場面における貴重な記録です.また,現代の社会情勢や生活背景,問題点を著者自身の病状と重ね合わせています.何事もなく生活できることの大切さへの「気づき」を促してくれます.さらに,学生の皆さんが難解(?)と思っている脳梗塞の症状に付随した様々な病態が,患者としてのご本人の易しい「ことば」で書かれています.

ちなみに発症前後のご夫婦の日常生活についても赤裸々に描かれていて,電車の中で読んでいて思わず笑ってしまうところが多々ありました.本当にリアルです.

そしてもう一つの大きな点は,ST, OT, PTの役割が的確にわかりやすく書かれていることです.それぞれの専門性を患者さんの視点から捉えて表現されています.

読み終わった後,元気になれました.患者さんに励ましてもらった感覚です.臨床で学び,働き続けるために,我々セラピストは,患者さんと共感する心,専門知識,治療手技をいつまでもどこまでも習得し続けることが必要だと改めて痛感しました.

 

本を読む学生が少なくなったと巷の話題です.電車通学ができる皆さんは,何とラッキーでしょう!ぜひ電車内での読書をオススメします.スマホ電子ブックもいいですが,本当は紙に印刷されたものを読んでいただきたいと思っています(眼のためにも…).

今後も「館長オススメの一冊」をブログに掲載しますので,良かったら図書館で手にとって,ぜひ読んでください.

なお図書館では,学生からのリクエスト本も受け付けています.まずは司書の大滝さんに問い合わせてください.                    (A)

 

 

追記:図書館長リクエストのこの書籍『脳が壊れた』は現在発注中です。来週中には新着コーナーに配架される予定です^^  よ🐰