大澤先生コラム【10月】

 

 

「宇宙探索と上水・下水道」    大澤源吾 (sept,24,2019)

 

 

 

“尾籠な話”の続きで恐縮である。国際宇宙船では自前で水や酸素を作っているらしい。

となるとヒトの排泄物をどのように処理しているのだろうか?

 

地球上では、下水を浄化して飲水化する技術はでき上っているという

(日経サイエンス2014年10月号)。

 

ただ、処理した下水を飲むことに対する心理的な抵抗感がヒトでは強いので、

処理しないまま海洋投棄の途につくのが一般的であることは日本人ならば知っている。

然し、将来的な水資源の乏しい環境を予測するならば、

下水を高純度に処理した上で上水として直接的に再利用することが、

すでに一部水不足の危険にさらされている地域や環境では計画されているという。

このことは宇宙船内でも実験ずみなのかも知れない。

 

先ほど、インドの研究グループが月の裏側で水(氷)の存在を探索する計画に

齟齬を来たしたらしいというニュースがあった。

宇宙開発競争が地球上の国同士の争いのためにではなく、

人類全体の発展の未来につながる目的のものとなることを切に祈るものである。

 

水以外にも、ヒトの排泄物の固形物の処理も、

エネルギー源か何かに再生利用する道が開かれていて欲しい。

大澤先生コラム【9月】

 

 

「宇宙船と飲水」       大澤源吾 (Aug 17,2019)

 

集中豪雨だ、避難命令だ、などと動揺の激しい気象のなかで、

過剰なまでの水処理に手を焼くことすれ、

この国が水のない砂漠の中でなかったことには日頃いつも感謝している。

 

そして、宇宙船のなかでは水や空気(酸素?)をどうやって得ているのだろうかとつい思ってしまう。

国際宇宙ステーション(International Space Station:ISS)の

420トンの巨体は地球上250~400kmの高さで秒速7,7km、90分で地球を1周し、

1日16周しているという(現代用語の基礎知識2018、自由国民社)。

 

1984年にアメリカのレーガン大統領がソ連に提案し、1991年に旧ソ連が崩壊、

1993年にアメリカからロシアに再度ISS計画への参加が要請され、

それまで経験と実績のあるロシアの技術が基盤となり、これにアメリカ、カナダや欧州宇宙機関(ESA)と

日本が加わって、2011年に完成し、実験が続けられているのが現在の姿であるという。

発電・電力制御、水や酸素の供給など生命維持のため供給が行われていると記載されている。

 

尾籠な話になって申し訳ないが、

この記事を読むまでは、宇宙船内で居住しているヒトが排泄する尿は濾過・再生され、

飲水として使っているものとばっかり思っていた。

もしそうでないとすると居住者の尿や糞便の始末はどうなっているのだろうか。

 

 

宇宙での共同研究は2024年までの継続という出発時の約束だそうだが、

トランプ大統領はこのISSに対してどんな考え方をもっているのだろうか。

アメリカと競り合っている中国の習主席はすでに独自の宇宙開発を試みているようだが、

共同研究にはならないのだろうか。尿糞後の始末と共に、さらに気がかりである。

 

 

大澤先生コラム【8月】

 

「大局的見地」 大澤源吾 (July 15,2019)

 

参議員の選挙戦が始まった。

既定路線と思っていた消費税の「値上げ」が争点の1つである。

当初は「値上げ」が経済成長の足枷になりそうだから時期尚早という反対論であったが、

政府要人の年金関係発言に端を発し、「年金制度の見直しが先だ」

という意見すら叫ばれるようになって、

消費者にとっては心地よく響く「増税反対」の大合唱に摩り替ってきた。

 

 

20世紀前半以降に、医療(健康)、雇用(失業)、労災、年金の各保険を柱として

この国の社会保険制度が構築され、途中、平均寿命の延長、少子化に進展、

それに世界的な経済成長の鈍化という思わぬ伏兵に遭遇しつつも、

工夫を重ねて後期高齢者医療制度の発足につながったと理解している。

 

身近な医療費だけに目を向けても、

「がんの薬物療法」をはじめ医学の進歩による医療費増大は避けられまい。

相互扶助の必要性は更に増す筈であるから個人の負担増は避けられないと思う。

 

医療職を目指す若い諸君と共に、心地良さだけの空虚な論争の多い中から、これからの実現可能な、

進むべき方向をしっかりと示す誠実な候補者を選んで託したいものである。

 

翻って、国試合格のみを目指し、過去問の答え合わせに終始し、

一夜漬け的な学生教育にどっぷり漬かってきた教師としての力が

身をふり返し忸怩(じくじ)たるものがある。

 

旧態を打破し、新しいリハビリテーション学に改革できるような学生に未来を託したいものである。

 

大澤先生コラム【7月】

「“ボケに効く薬”への期待」   大澤源吾 (June 18,2019)

 

昨年の暮から今年の1月にかけて図書館の新刊雑誌閲覧棚にあった日経サイエンス(平成31年1月号)だから、読まれた方も多いだろうと思う。

“神経免疫学”というタイトルが目を惹いた。Kipnis教授(Virginia大学)が、視覚や聴覚などヒトの五感と並んで免疫系が体内外に微生物を始めとした分子情報を脳に伝え、神経細胞と免疫系が連絡し合って共同で生体を護っているとする総説的な解説である。

この“神経免疫学”の解明・進展が、自閉症からアルツハイマー病などの多くの神経疾患に対する新しい治療法の開発の“鍵”となるだろうことを予言していたのである。

 

さらに、併載された日本の精神科医達のもう1つの論上で、脳内の小膠細胞(ミクログリア)がこの神経免疫学の主役として働き、脳内のさまざまな環境変化に敏感に反応して活性化することが統合失調症やうつ病などの精神疾患や精神症状の発症につながるという“ミクログリア仮説”を提唱しているのである。

古くから細菌感染病に対して使ってきた抗生剤がそれまで難治であった精神症状の消失をもたらした事例まで添えてあるではないか。

 

“呆けに効く薬”は小生にとっては間に合わぬ話であろうが、学生諸君の時代にはちょっとした度忘れ、物忘れが日頃の生活習慣ないしは食事内容で予防できるときがやってくるのではあるまいか。

 

恐らく匂いのつよい、苦みのきついものであろうと勝手に想像しながら、研究の進展を切に祈っている。

 

大澤先生コラム【6月】

 

 

「視力を護る山野の陽光」   大澤源吾 (may 17,2019)

 

 

幸いなことに、テレビもスマホも無い時代に育った。

中学入学時の視力は2.0だったが、卒業頃には眼鏡をかけていた。

今は書斎でハズキルーペも手離せない。

 

7才になる、利かん坊の孫が学校から視力低下を指摘されてきた。

息子も近眼だし、体質遺伝かと瞬間、納得しかけたが、

確か遠視の乳児期から学童期頃に正視に移行し、思春期になって近視傾向が出現すると学んだ筈である。

孫の近視は早や過ぎる。

 

以下は、慌てて読んだ専門家の論文の受け売りである。

世界的に児童や若者の近視が増加しているという。

テレビ、パソコン、スマホなど細かく動くものを間近に見つめ、長時間、眼に負担をかけている生活と、山野の自然の中で陽射しを浴びて遊ぶことの少なくなった習慣が原因らしい。

紫外線(ultraviolet)に隣接した可視電磁波(紫色:violet light)には近眼への進行を

抑制する作用のあることも少しずつ分かってきた。

豊富なviolet lightを浴び乍ら視力3.0を誇ってきたアフリカの人達にも、

世界的な文明機器の浸透によって近視眼が増加し、問題となっているという。

孫にはもっと屋外で遊ばせねばなるまい。

 

学生諸君よ、コンタクトレンズ装着ではこれからの宇宙時代の競争に遅れをとることは必至である。

視力の健康のためにもスマホのゲーム遊びは禁止し、日中は屋外スポーツに励み、

夜には紙面から真っ直ぐ30cm離した正しい姿勢で、そして明るい灯の下で読書と学習に励んで貰いたい。

 

 

 

 

大澤先生のコラム連載開始

 

本年度より図書館のブログで3月に退職された

大澤源吾前学長(本学初代学長)にお願いし、

先生の幅広い学術的な知識と人生経験豊かな観点から

月一度のコラムを書いていただくことになりました。

学生と図書館の距離を少しでも縮めたく企画したものです。

どうぞ毎月目を通していただければ幸いです。

 

図書館長 伊林克彦

 

 

 

『証拠集めと学生教育』

(April, 2019)大澤源吾

 

伊林教授から、メールもままならぬこの俺に、ブログせよとの命を受けた。

“老いの辛さ”の真実は実際に君が老いてみなければ分からないぞと、

尊敬する先輩が呟かれたことを想い出す。

 

 

以下、正しく喪失過程に必死に抗う老残の妄想発言として寛大にお赦し願いたい。

テレビニュースを見ていると、政治的論争でも、あるいは社会的な犯罪事件の報道でも、

発表公文書や監視カメラからの証拠探しがあって

後に視聴者が判断する仕組みになっていて、証拠集めの大切さはよく分かる。

 

 

しかし、試験の際の学生の不正(cunning)についてだけは、

証拠を見張って罪人を作っては教育者の敗北を意味することを胆に銘じたい。

不正を実行する前に本人に気づいてもらって思いとどまらせることこそが、

真の意味の人間教育につながるのである。

 

 

話は換るが、日産・ルノーのゴーン氏に関わるこれからの証拠探しの裁判論争は興味深い。

 

 

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略歴

大澤 源吾 (1932(昭和7)年6月11日生)

昭和32年 3月 新潟大学 医学部卒業

〃 37年 3月 新潟大学大学院 医学研究科 内科学専攻 修了

〃 37年 4月 県立ガンセンター新潟病院 内科勤務

〃 38年 8月 アメリカ合衆国留学(昭和41年11月まで)

〃 48年 8月 新潟大学 講師(内科学)

〃 55年 3月 川崎医科大学 内科学(腎・膠原病)教授

平成10年 4月 川崎医療福祉大学 教授

〃 15年 4月 新潟リハビリテーション専門学校校長(平成17年3月まで)

〃 16年 4月 新潟看護専門学校校長

〃 19年 4月 新潟リハビリテーション大学院大学学長(平成22年3月まで)

〃 22年 4月 新潟リハビリテーション大学学長(平成23年2月まで)

〃 23年 3月 上記大学院 及び 大学教授(平成31年3月まで)

 

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図書館長ブログ 「人生に無駄なものはない!」

昨日は,図書館主催の「ヒューマン・ライブラリー」開館日でした.本学の教職員が「本」となって,ひとりの人として自らの経験を学生に話す…所謂,「学生」が直接「語りを聴く」という機会を通じて,学生に少しでも生きるヒントを得てもらえたら….

昨年から開始して2年目です.司書の方のやりくりで,ランチョン,デザートバイキングなどお金をかけずに(準備などに時間はちょっとかかるけど)でも楽しく!学生・教職員がほんのひとときを一緒に過ごす中で心温まれば,なお嬉しいです.

今まで「本」となってくださった方々(館長自身含め)なぜか?寄り道,脇道,立ち止まり,振り返り,行きつ戻りつ…現在に至る,というお話でした.もう一度なぜか?答えはわかりません.でもこれだけは共通していると思います.「人生に無駄なものはない!」

笑って楽しく聴けるお話もありますが,涙がついこぼれてしまうようなお話…実はそれこそが,今までを支えてくれた大切なことなのだと思います.

学生の皆さんは「何事もない」ことが良いことだと思っているかも知れませんが,それは与えられたことを何も考えずにやっている(やらされている)だけにすぎません.生きていれば喜怒哀楽,何でも起こります.何事もないように見せている人の姿の裏に,その人の厚みは隠れていると思います.そのためにも学生の皆さんにはSNSなどの薄っぺらな話に一喜一憂せず,人の話に耳を傾け,毎日ひとつひとつ積み重ねていく力を身につけてほしいと思います.

現実には毎日の講義や演習,4年生は目前に迫った国家試験…「あ,こんなコトしなければ良かった」と思うことも多々あるでしょうが,それは無駄ではありません.むしろ「しなければ良かった」と気づいたとしたら,「どうすれば良かったか?」までちょっと考えを広げてみてください.きっとそれが皆さんの新たな一歩につながります.

(A)

 

図書館長ブログ「『サンタ・プロジェクト』にご協力いただけませんか?」

 

子どもの頃,お母さんやお父さんの膝の上に乗って,絵本を読んでもらった記憶はありませんか?寝る前に気に入ったお話の絵本を,何度も読み返してもらった事もあるでしょう.

 

また,今では大きくなった子どもに,そういえば昔…本を読んで!と,せがまれた記憶をお持ちの方もおられるかと思います.

 

絵本は,夢や希望を運んでくれるとてもステキなものです.

 

そんな「絵本」をプレゼントするという,病気や障がいのためになかなか外出できない子どもたちの世界を少しでも広げるために我々ができる小さなきっかけが,この「サンタ・プロジェクト」です.現在は新潟県内でも敬和学園大,新潟県立大を中心にプロジェクトの輪が広がっています.昨年度,本学でも30冊以上の善意が集まりました.

子どもの頃の思い出や夢を,見知らぬ子どもたちにも持ってもらいたい…もしそんな思いがありましたら,ご賛同いただければ幸いです.

 

皆様が選んだ絵本は,サンタ・プロジェクト有志の学生がサンタさんとなって届けます.今年度は村上総合病院小児科病棟・小児科外来,新潟県立村上特別支援学校,新潟県立東新潟特別支援学校にお届けする予定です.

 

1冊の共同購入でも構いません.複数冊,同じ本でも構いません.またインターネットで検索した本だけど…など情報だけでも構いません.TSUTAYAまで行く機会がないという方も,まずは本学図書館へお知らせください.

 

本学図書館は規模も小さく,情報量も少ない環境ですが,このプロジェクトは図書館から発信できる地域貢献のひとつとして,今後も継続したいと考えております.

多くの皆様からのご理解とご協力をいただけますよう,何卒よろしくお願い申し上げます.

(A)