新潟リハビリテーション大学
 
平成30年度卒業証書・学位記授与式を執り行いました

平成30年度卒業証書・学位記授与式を執り行いました

3月15日(金)、本学と新潟看護医療専門学校村上校合同の「平成30年度卒業証書・学位記授与式」を村上市民ふれあいセンターで執り行いました(写真左)。当日は、数日続いていた冬型の気圧配置がようやく緩み始め、肌寒さは残るものの徐々に晴れ間が広がり、卒業生・修了生を送り出すにふさわしい日となりました。式の様子は、当日夕方、NHKテレビのニュース(新潟版)で2分弱にわたり紹介されました。本日(17日)現在、NHK新潟放送局のウェブサイトにニュースと同じ内容の動画もあがっています。

式の後は瀬波温泉の宿に移動し、大学院謝恩会、そしてさらに別の温泉宿に移動して、学部謝恩会と続きました。東京サテライトキャンパスで学んでいた大学院生たちも村上での式と謝恩会に出席してくれました。院生からは、大きく美しい花束をいただきました(写真右、花瓶に生けた花束)。

以下に、学長告辞を掲載いたします。

モノクロだった景色に、草木の緑や土の色が加わり、冷たく凍っていた川は、さらさらと優しく流れるようになりました。春寒の残っている冷たい空気の中にも、さまざまな息吹が感じられ、旅立ちにふさわしい季節がやってきました。

本日、新潟リハビリテーション大学の教職員一同は、医療学部を卒業される皆さん、そして、大学院修士課程を修了される皆さんを送り出す日を迎えました。それから、北都健勝学園が目指す同じ理念のもとで学びを深めてきた、新潟看護医療専門学校村上校を卒業される皆さんも、いっしょにお祝いさせてください。

このよき日に、ご来賓の皆さま、そしてご家族、地域の方々、関係者の皆様には、お忙しいところ、ご列席くださいまして誠に有難うございます。

私たち教職員は、卒業生・修了生とのたくさんの思い出を抱え、名残が尽きない気持ちでいっぱいですが、心から祝福して送り出したいと思います。卒業生、修了生の皆さん、おめでとうございます。また、ご家族や関係者の皆様にも、心よりお慶びを申し上げます。これまで、本学に賜りましたご支援とご協力に改めまして感謝申し上げます。

卒業生、修了生の皆さんは、これから新しい道へと進んでいかれます。臨床現場に入って患者さまと真剣に向き合われる方、あるいは、さらに学びを深めてステップアップを目指す方、そのほかにも、皆さんのこれからの人生には、さまざまな可能性が広がっています。どの道を進むにしても、新たな道へ歩んでいくために、本学から巣立っていくという、一区切りの日を迎えることができたのは、これまでの皆さんの努力によることはもちろんですが、ご家族の方々をはじめ、諸先生方、友人たち、地域の方々、その他、多くの方々の温かい愛情と限りないお力添えのお陰だということをどうか忘れないでください。そして、本学で学んだことを活かし、本学の卒業生・修了生としての自覚と自信を持って挑戦を忘れることなく今後の人生を送っていただきたいと思います。

受け身ではなく、自ら進んで調べ学んでいくという、主体的な学びの姿勢が求められた大学では、楽しいことばかりではなく、時には思い通りにならずに挫折をしたり、投げ出したくなったり、多くの研鑽や努力を必要とする辛い日々もあったことと思います。しかし皆さんは、さまざまな試練を乗り越えて、今日の日を迎えることができました。まずはそのことに自信を持って進んでいって下さい。

さて、皆さんがこれから向かっていく社会は、少子高齢化や人口減少がいっそう進み、さらにはグローバル化の波が押し寄せ、人工知能、ロボット、再生医療など新たな科学技術が進展し、私たちの生活環境や就業形態が、大きく変化していくことが予想されています。いわゆる、Society 5.0と呼ばれる超スマート社会となり、ICTやIOTが人や物をインターネットに繋げ、人工知能やロボットが多くの仕事を代替するようになり、お互いの顔が見えなくなるかもしれません。しかし、そのような社会こそ、人と人とが実際に触れ合い、真摯に向き合うことが大切になると思います。皆さんが目指す医療・保健・福祉あるいは教育・研究の世界においては、なおさらのことです。人の心を読み取り共感し、優しく温かい心を通わすことが必要な本領域の業務は、いつまでも世の中から必要とされます。皆さんが選んだ道は、まさしく、人でないと目的を達成することができない大切な道です。

本学園では、創設以来「人の心の杖であれ」を理念に掲げ、知識や技術だけではない、細やかな心遣いで患者さまやご家族をはじめ周囲の方々をしっかりと支えていけるような、人材を育成してきました。これまで皆さんが培ってきた知識、技術、そして優しさや思いやりをさらに成長させ、どんな場面でも決して諦めないで挑戦を続けていく強い心を養うと共に、医療人としての崇高な倫理観を今後も育んでいってください。

私自身の人生を振り返ってみても、困難に出会った時は、相談に乗ったり助けてくれたりする人の存在、大学で学んだことや社会での経験などが役に立ちました。心折れることなく、挑戦を続け、勇気をもって困難に立ち向かってこそ、満足のいく人生が送れるのではないかと思います。

さて、本学は、学園の伝統ある専門学校教育を土台として発展させ、平成19年度に大学院だけをもつ新潟リハビリテーション大学院大学として開学したのち、平成22年度に医療学部を増設して、新潟リハビリテーション大学という現在の姿になりました。大学になった平成22年度当初の医療学部は、リハビリテーション学科の中に理学療法学専攻と言語聴覚学専攻の2専攻のみが存在しましたが、現在までに、作業療法学専攻とリハビリテーション心理学専攻を増設し、全部で4専攻となりました。そして、最後に立ち上げたリハビリテーション心理学専攻でも、今年度初めての卒業生を送り出します。一方、大学院修士課程でも平成19年度当初は、リハビリテーション研究科リハビリテーション医療学専攻の中に、摂食・嚥下障害コースと高次脳機能障害コースの2コースのみが存在しましたが、現在までに、運動機能科学コース、心の健康科学コース、言語聴覚障害コースを増設し、全部で5つの履修コースとなりました。そして、平成28年度からは、東京の交通至便な場所に、社会人向けのサテライトキャンパスを開設しています。そこでは、全国各地から向学心あふれる学生たちが集い、高度で専門的な特色ある学びを実践しています。今日も、この式には、2期目となる修了生たちが遠方から列席してくれています。今後も時代のニーズに応え、地域の方々に必要とされ、研究に裏打ちされた教育機関となるよう、さらなる改革や改編を進めて参ります。大学をとりまく地域社会や産業界との連携も強化していきたいと考えております。

そのためには、卒業生・修了生の皆さんにも協力していただき、皆さんといっしょに歩んでいく大学でなくてはなりません。今後とも新潟リハビリテーション大学に対して強い思いを持ち続けていただきたく、お願い申し上げます。皆さんは、これからの人生の中で困難に直面し、解決のための相談やアドバイスが必要になることもあるでしょう。その時には本学のことを思い出して、遠慮なく戻ってきてください。本学は、皆さんが適切な解決策を見出し、ピンチをチャンスに変えるためのお手伝いや応援をする場であり続けたいと考えています。今日の卒業式・修了式は、新しいスタートラインにつく皆さんと、さらにつながりを強めていくための一区切りの式と捉えてください。

最後になりましたが、皆さんが、健康であり続けるとともに、これからも不断に学び続け、希望に満ちた明るい未来を切り拓いていき、大きく飛躍して多方面で活躍されることを心より祈念し、私の告辞といたします。

本日は卒業・修了おめでとうございます。

平成31年3月15日     新潟リハビリテーション大学長 山村 千絵